「凌辱の魔界」(文庫版)
著者 友成純一
文庫 272ページ
出版社 幻冬舎
発売日 1999年12月
<< かるーい話の流れ >>
とにかく戦いと暴力が大好きな筋肉鬼畜極道の鬼道が主人公。
この男はセック〇だって普通じゃない。
自身が興奮するために女体を壊しながらファッ〇しないと気が済まない男なのだ(゚Д゚;)
そんな鬼道が現在行っている仕事は売春屋から男女を人身売買して、ある研究所へ人体実験用素材として提供する事だ。
そこではマッドサイエンティストな東条と彼が率いる研究者達が、人間と植物の細胞を結び付けて光合成で栄養補給できる新人類を作っちゃおうっていう秘密実験をしていた。
(もちろん失敗ばかりで廃人でまくり、死人もでまくりな実験成果)
そこへある日、一人の薬中美少女が実験体として送られてくるんだけど、彼女が実験体として驚異的な成功をおさめた時から研究所内はおかしくなり始める。
初めての成功例に興奮してどんどん非道なことを行う東条、実験体の女達を犯しては殴り嬲る監視役のチンピラ達、地下の遺体安置所で起こる緑毛肉片達の蜂起、そしてやっと自分にふさわしいい女を見つけたと歓喜する鬼道。
地下死体安置所の主である「死神さん」が地上に出てきた時、研究所の中に想像を絶する地獄が溢れ出して血飛沫と悲鳴が爆発する!!
(うーむ、あらすじを書いていたら思わず熱くなってしまった。これじゃおじさんが東条先生みたいじゃないか・・・)
<< 特に良かった部分・良かったセリフ・シーンなど >>
この作者、官能小説も書いらっしゃるみたいでってことはやっぱりお色気シーンでしょ!!
序盤にて、理沙という何も知らない娼婦が興奮した若いチンピラ達と一発ヤルところがすごく煽情的だ。
白人とのハーフで体は欧米女性並のナイスボディ!
メタリックな輝きを放っている体って表現がまたそそりますなぁ。
そんでもって、これだけタマラナイ女ってアピールしまくっておいて中盤になると酷い暴力と凌辱で徹底的に痛めつける外道っぷり。
予想以上にぶっとんでる作者だよホント(;´・ω・)
あとは人体実験施設の所長を務めている東条というつるっぱげでブルドックのような顔の50代初老先生、このキャラクターが完全に狂っていて気に入ったわ。
人間の光合成化実験で、初めて成功した少女の樹夢に対して貴重な実験体であるはずなのに、その成果に興奮して我を忘れた東条は検査だとか検証だとか称して、樹夢の体を切り刻みまくりシーンはかなーり「うげぇ~キッツゥゥイ」ってなるよ(>_<)
「葉緑体、葉緑体」って呟きながら嬉々として樹夢の性器の皮下組織を切り取りだす様子は、完全にイッちゃってる人だわさ。
そしてなにより、狂人に相応しい死に様もインパクトがあって良かった(笑)
<< 気になった・予想外だった・悪かったところ >>
まあ予想外だった部分でね、あくまでも人智の範囲内での地獄が展開されるのかと思っていたんだけど、読んでみたら完全に人外の化物達が地獄を作り出していたってのが予想外だった。
でも中盤まではマッドサイエンティストとチンピラ達が繰り広げる凌辱の地獄だったし、人外の化物系になっても面白かったから良し。
あと気になったのは失敗作の実験体から独立した緑毛の化物達なんだけど、みんな浮遊しているって書いてあったんだけど完全に重力を操って浮遊していたのか?
それとも緑毛を脚みたいに使って浮かんでいるように見えたのか、どちらなのか気になったなぁ。
完全に浮遊までしちゃうってんじゃあちょっと現実離れし過ぎな気もするけどね(^^;)
<< 読み終えてどうだった? >>
この小説が結局どういう話だったのかを超簡単に説明すると、惚れた女(樹夢)を自分の女にするために鬼道が地獄になった研究所へ乗り込むってだけ。
単純タイプのストーリーなんだけど、それで十分なんですよコレは。
それぞれのシーンが強烈すぎてそのエネルギーが読者をグイグイ引き込んでいく。
あまりの過激な描写にずっと心臓バクバクで読んでいたし。
この感じはタランティーノとかロドリゲスの映画を見て居るような気分?
(あくまでも個人的感想なので・・・)
それにしてもオチがここで終わりかぁってちょっと残念だったのもある。
緑毛の化物達が出て行った後の世界も知りたいし、鬼道と樹夢と死神さんの三人旅もめっちゃ気になる!
とりあえずこの作者の小説は似たようなのが沢山あるから、それらを読んで我慢することにしよう。
読了感としては、ほんっとうに非道外道な内容なのに鬼道の終盤の暴れっぷりが素晴らしかったせいか、意外とスッキリしているかな(笑)
(注意!この小説はほんとにほんとにガチでエロくてグロい外道な描写バリバリだから、読む人は御覚悟をしたほうが良いかと)
<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>
思い返せばある御方に貸し付けられた「クチュクチュ・バーン」を読んでからこういうグロい小説にのめり込んで行ったなぁ。(「クチュクチュ・バーン」も面白いからオススメだよ)
そして「凌辱の魔界」を読んだ今、この作者が書いたグロ小説界でウワサの「獣儀式」をなんとしても読みたいって気持ちが抑えきれなくなったぜよ!
こうなりゃ買うしかないかぁ、キンドルファイアタブレットを(`・ω・´)
11Pより。
―――ハスキーな声だった。さすが春を鬻ぐベテランらしく、本当は怖いくせにすぐに拒否反応をひっこめ、二人を軽くあしらった。―――
「はるをひさぐ」
売春するってことらしいです。
40Pより。
―――肌は魚の白身のような色に変わり、脇腹に死斑が浮いている。―――
「しはん」
死んで数時間経過したら皮膚に出てくる紫色の斑点のこと。
56Pより。
―――幽門を閉じた胃袋が美味そうに痙攣した。―――
「ゆうもん」
胃が十二指腸に接する部分みたいですね。
220Pより。
―――ところが、その毛髪に包まれた貌ときたら―――。腐りきっているのだ。―――
「かんばせ」
顔とか容姿とか、物の形って意味らしいね。
独特なふりがなが付けてあったけど、「ぼう」って読むのが一般的なのかな?
<< 挿絵で見たい場面や物など >>
鬼道が樹夢を奪いにのり込んで行った研究所にて、所内の人間達が逃げ去った二階に上がるとそこは緑毛の肉片と、同じく緑毛の生首達が研究員やチンピラ達の死体を食い散らかしている地獄絵図の場面。