忘れないでね 読んだこと。

せっかく読んでも忘れちゃ勿体ないってコトで、ね。

殺戮摩幻楼 読書感想

タイトル 「殺戮摩幻楼」(kindle版)
著者 友成純一
ページ数 247ページ
出版社 アドレナライズ
発売日 2014年11月21日


<<この作者の作品で既に読んだもの>>

・「凌辱の魔界」
・「獣儀式」
・「ナイトブリード」
・「肉の儀式」
・「肉の天使」
・「獣革命」
・「女戦士・フレア伝(1) 邪神殿の少女」
・「人獣裁判」
・「宇宙船ヴァニスの歌」
・「女戦士・フレア伝(2) 絶海の黄金郷(エルドラド)」
・「宇宙船ヴァニスの歌(2) 恐怖の暗黒魔王」
・「女戦士・フレア伝(3) 虚空の要塞島(アルバロン)」


<< ここ最近の思うこと >>

仕事のストレス、人間関係のストレス、将来の不安などなど募るばかりで一向に解消されない毎日。
そろそろ友成純一成分を補給して飛んじゃおう飛んじゃおう。
最近は『ヴァニス』や『フレア伝』のシリーズものばかり読んでいたから、『獣儀式』のようなガツンと来る単発品を読みたい今日この頃。
なんにしようからな~ってつらつら探していたら、面白そうなあらすじを発見!
完全武装のコマンド、凶悪犯、超現象が巻き起こる異空間・・・・・良いじゃないか。
武装兵士とスプラッタ怪異現象の映画って意外とないよね?おじさんが知らないだけかな?)
兎にも角にも、久しぶりの友成純一単発作品、期待するなって方が無理じゃ~い!でもぶつ切りエンドの覚悟はしておくんじゃ~い!
ではでは、血と臓物と暴力がみっちり詰まったアッチの世界へ飛び込むぜよ(=゚ω゚)ノ



<< かるーい話のながれ >>

凶悪犯罪が頻発し国内に銃火器が蔓延、そして殺人事件が当たり前になり始めた日本。
会社へ向かう通勤者達が溢れる商店街にて連続通り魔事件が発生。
犯人は複数の死傷者を出しながら逃走していく。
そして行き着いた超高級マンションに侵入し、三百人近い住人達を人質に立てこもった。

警察が総力を挙げて事件解決に取り組む中、マンション警備を担当する警備会社から四人の隊員が派遣されてきた。人命よりも依頼主の資産を重視する過激な武装警備会社。
彼らはその中でも選りすぐりと噂される隊員達だった。

東海警備保障、キング・キラー、人殺しくらいするのが当然なのだ、出刃包丁、シャトー成城、モンキー・ダンス、緒方隊、予知者、とんでもない魔界、蜃気楼、いるのよ、子供だ、精液溜まり、本物のジャングルだ、瞳まで濁った白、巨大な夕焼け空、キング・キラーの罠、見つけた、開かずの間、次元振動、次に彼が動くのは、入ったら終わりだ・・・。

裕福層達の歪んだ欲望が蔓延する高級マンションに通り魔が侵入した結果、異次元の扉が開き予測もできない現象が隊員達に襲い掛かる。
犯人を討ち取るのが先か、命を刈り取られるのが先か、地獄と化した高級マンションの中で生き残るのは誰なのか!?


<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

///今回のベスト・グロ描写はここだ!///
警察の特攻班からの連絡が途絶えて、次の一手に悩む特捜本部の黒須。
その時、上階のエレベーターが一階ロビーに向かって降りてきた。
住人か、特攻班か、それとも犯人か・・・・・・エレベーターの扉が開いた。
位置№861Pより。
―――首都圏の警察官が、玩具にされた死体を見つけたくらいで、驚いたりはしない。そいつは、死体ではなかった。そんな有り様になってもなお、まだ生きていたのだ。―――
なんかもう手足も首もねじ曲がって体に巻き付いて、内臓まで飛び出して肉塊な状態なのにまで生きている被害者。
まだ生きている!?・・・・・スゴいね人体。
じゃなくて、一体何をされたのか?誰にやられたのか?気になるところは多々ありますわ。

///東海警備保障の緒形は伊達じゃあない///
突然現れた異空間、そして仲間達は消えて一人残された緒方。
混乱してしまうのが当然の状況でも、先ずは冷静になって考えることが重要だと理解していた。
位置№2175より。
―――「ジャングルの広さ、探ってみるかな。キング・キラー、住人たち、津山や水城、先に来た刑事たち・・・・・そして、出口。何を探すにしろ、とにかく動かなければ話にならないじゃないか・・・・・」
フランキを、肩に担いだ。―――
さすが実戦経験豊富で様々なトラブルに遭遇してきた緒方隊長。
ここからバシバシ反撃に転じていくんだろうなぁ~ってワクワクしてきたら、あらら?
あれよあれよという間に・・・・・さすが友成純一作品だわね(^^;)

///今回もあとがきが充実している///
間違った記事とかでっち上げのコラムなり文章なりをメディアで流しちゃった時って、作った人が悪いのか流しちゃった人が悪いのかどっちなんだろうね。
(個人的にはどっちもどっちだと思うけど)
位置№2822より。
―――ある時、原稿の内容で―――それは志賀島の海に関する原稿だったが―――私は決定的な誤りを仕出かした。明らかに私のミスだったが、私は編集部に対しても読者に対しても、謝らなかった。
以来、西日本新聞とはさっぱり縁が切れた。―――
手書きに拘る頑固な姿勢とか、途中で横やり入ったらもう一切書けないとか、最大の被害者である山口君とか、本編とは全然関係ない日常話だけど楽しませてもらいましたわ。
(それにしても西日本新聞志賀島のミスが気になる・・・・・一体どんな原稿だったのか)


<< 気になった・予想外だった・悪かったところ >>

///マンション内で一体何があったのさ///
警察やマスコミ野次馬が取り囲む中、突然響き始めた悲鳴とマンション壁の爆発。
上空から落ちてきたのはガラスやコンクリート、そして赤黒い肉塊だった。
位置№1185より。
―――「ああ・・・・・こいつは、大人じゃない。子供だ、子供の死体だ・・・・・」―――
強化防弾ガラスと分厚いコンクリートを突き破って落ちてきたのは子供だと?
なにがどうなってそうなったんだよ(笑)
エレベーターの重傷者や謎の獣化現象など気になる部分が多かったけど、理由は説明されずfin。
これぞ友成純一ワールドですね(;´∀`)

///同一人物のはずだよね///
緒形隊唯一の紅一点である水城真理子。
彼女の姿を表現する場面で、ちょっと気になるところがった。
位置№121より。
―――乱暴に刈り込んだらしい、もじゃもじゃのショート・カットが、その体格と身なりに、ぴたりと決まっていた。嫌悪というより、嫉妬だった。その女に対する感情は。―――
最初の登場場面ではショートカットとして語られている。だがしかしもう少し後の場面では長い長髪になっているだと?
位置№528より。
―――腰のあたりまである長い黒髪と、一メートル七十ある長身が、特徴だった。―――
おそらく同一人物の水城真理子なはずなんだけど、どういうことなのか?
(まさか別人・・・・・いや単なる執筆ミスなんだろうけどさ)

///いつからそんな装備を付けていたんですか///
シャトー成城の中で異次元に飲まれた津山。
尽き果てぬ波のように押し寄せてくるナニカに向かって、射撃して手榴弾まで使用するが焼け石に水
位置№2100より。
―――腰の手榴弾を抜き、そこいら一帯に投げ散らかした。だが、爆風で自分が吹き飛びかけただけ。押し寄せる人間モドキは、微塵も影響されなかった。―――
最初の装備紹介部分では、各員SPAS12とコルトのコンバット・コマンダーとバックマスター・ナイフの装備だったはず。
いつから津山だけ手榴弾を持っていたんだ?
こっそり私物を持ってきていたのか?作中の日本ならあり得るし、津山という人物ならやりそうだけど。


<< 読み終えてどうだった? >>

///全体の印象とか///
作りとしては、物語が進むにつれていろんな人物をスポットにした第三者視点で語られている。
まあいつも通りな友成先生の小説ですな。

マンション内で巻き起こる超常現象、襲い掛かる異形の怪物達、それらに対して銃と暴力で抗っていくコマンド部隊って展開をしていたけど、これはあまりにも一方的過ぎたねぇ(;´∀`)
(雰囲気としては映画『MEMORIES』の「彼女の想いで」が近い感じかなぁ・・・違うかなぁ)

///話のオチはどうだった?///
友成先生恒例の投げっぱなしエンドを恐れていたけど、オチまでちゃんと書かれていたから良かった。
エピローグの後でシャトー成城がどうなったのかはわからないけど、ホラー作品として考えたらこーゆー終わり方も納得できるかなと。
(いやーしかし、夢も希望もないオチだったなぁ・・・・・そういや津山は結局どうなったのか)

調べてみると他の作品である『淫獣軍団(1) 凌辱都市』や『獣革命 首都圏大パニック』と絶妙に話が繋がっているのかいないのか、世界観が一緒なだけかもしれないけど似ている箇所が多いね。
どうせなら次は『淫獣軍団』を読んでみちゃるかぁ。
(地獄の堕天使によるデパート占拠事件・・・・・あの話、気になっていたのよ)

///まとめとして///
今回も「電子版あとがき」のクオリティーが充実していて楽しめたわ。
執筆中は取り扱い注意の友成先生エピソードや、先にも書いた西日本新聞とのゴタゴタ、そして海外に行くならカードスキミング対策を万全にってな感じで、本編に一切関係ない話がいっぱいだった(笑)

『殺戮魔幻楼』の日本は人々から思いやりが擦り減って、代わりに無関心と銃器が蔓延した国になっちゃっていたけど、なんでか今の日本がその世界観へ近づいているような気がする・・・根拠はないけど。
救いのない酷い話はフィクションの中だけで充分!
心が荒んできなばらば、友成作品を読んで良くないモノをデトックスしちゃいましょってことで満読感7点!(10点満点中)
( 人によっては余計に心が荒んでしまう作品なので、読み扱いには気を付けてくださいまし(^^;) )
さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。


<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

位置№50より。
―――「お客さん、いい銃が入ってますぜ。ハイスタンダード・モデル10B、警察向けのライアット・ガンでさ。全長七十センチもないから、コートの下に吊って歩ける。―――
アメリカのハイスタンダード社が1967年から製造していたブルパップセミオートショットガン。
マグナム弾しか使用できない、動作不良多し、ブルパップ構造故の問題などから一時は警察に採用されたもののわずかな期間で退役しているらしい。

位置№597より。
―――何しに負う、東海警備の緒形隊である。アメリカ陸軍が、接近突撃兵器として開発中のH&K/アチソンCAWSでも、使わせてくれるのではと期待した。―――
1980年代に提唱されたCAWS(Closed Assalt Weapon System)計画によりH&K社が試作したフルオートショットガン。
3点バーストを組み込んだモデルや、キャリングハンドル内にスコープを内蔵するモデルも試作されたらしいけど、CAWS計画が凍結されると同時にこの散弾銃も開発中止となったみたいで。

位置№641より。
―――丸い爺むさい眼鏡の奥で、金壺眼を光らせていた。その眼鏡のせいか、年齢より十歳は老けて見られた。―――
「かなつぼまなこ」とはくぼんで丸い目という意味らしい。

位置№918より。
―――強烈な陽射しに対抗し、精いっぱい粋がって殺気を振りまいているみたいで、なおさらこの装甲車〝リンクス〝は、可愛らしく見えた。―――
小型で装甲車のリンクス・・・・・だと?
調べてみたけどまったく見つからないぞい。「ルクス」っていうドイツ陸軍で使用されている八輪駆動・操舵の偵察を主目的とした装輪装甲車はドイツ語でオオヤマネコ(リンクス)を意味するらしいけど、これなのか?

位置№2305より。
―――齢九十歳を超えてようとしていた。明治に生まれ、大正デモクラシーのなかで育ち、昭和の前半を反政府の政治活動に従事してきた。―――
大正デモクラシーとは、日本で1910年代から1920年代にかけて起こった、政治・社会・文化の各方面における民本主義の発展、自由主義的な運動、風潮、思潮の総称とのこと。
社会の授業で習ったはずだけど、この年になって初めて意味を知った気がする(;'∀')


<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
位置№1574より。
―――その目が、大きく見開かれた。昏倒している水城のことを、瞬間、忘れた。
津山と遠藤の姿を見失ったのだ。いや、見失ったのではなく、消えた。たった今まで目の前にいた二人が、ふっ、消しゴムでこすったみたいに消えてしまった。―――


特に描写がなかったから描かなかったけど、普通はヘルメットか帽子被ってるよね。
あと無線も付けてるよね。
まあそんなもんあったところで、あのマンション内では役に立たないだろうけど(;^ω^)
改めて感じたことだけど、霊能力者と特殊部隊のチームが魔窟へ突入するストーリーって、めちゃくちゃワクワクする設定じゃない!?
ハリウッドとかで映画化してくれないかな。

殺戮魔幻楼

殺戮魔幻楼

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舟を編む 読書感想

タイトル 「舟を編む」(文庫版)
著者 三浦しをん
文庫 347ページ
出版社 光文社
発売日 2015年3月12日

 



<<この作者の作品で既に読んだもの>>
・「ロマンス小説の七日間」


<< ここ最近の思うこと >>

昔から辞書が嫌いでしたわ~。
重いし、調べたい単語がすぐに見つけられないし、なによりつまらんし。
子供の頃は便利な電子辞書なるモノがほしくてたまらなかったよ、高価で手に入らなかったけど。
(誕生日やクリスマスのプレゼントで電子辞書を選ぶようなことはしません、それよりオモチャやゲームだチクショウ!)

そんなこんなで、恋愛小説枠で『愛なき世界』を買おうと思ったらまだ文庫化されていないだと!?
(現在では文庫本上下巻が発売されているみたいです)
仕方ないので同作者のこの小説を読むことにした。
少し前に映画化されて名前をちらほら聞いていたけど、はてさてどんな感じなのか。
それでは、『ロマンス小説の七日間』以上の盛り上がりを期待して、いざ三浦しをんの世界へ(=゚ω゚)ノ


<< かるーい話のながれ >>

出版社・玄武書房で中型国語辞典『大渡海』の刊行計画を進めていた編集者荒木と国語学者の松本。
しかし道のりはまだまだ遠く、荒木の定年退職の前に辞書制作を引き継ぐ若手を探すことになった。

営業部員として働いていた馬締光也という新入社員。
社内でも「変な人」として扱われていたが、荒木は彼の適正を見出し辞書編集部に異動してもらい『大渡海』の制作を引き継いでほしいと依頼する。

玄武書房、最後の大仕事、まじめですが、言葉の海を渡る舟、かぐや、こころ、後楽園遊園地、うひょっぐ、いい辞書作ってね、名よりも実を取ろう、お守り要員、俺の配偶者です、ぬめり感、人海戦術、究極の紙、二人で、すべてのひとのために編まれた舟、玄武書房地獄の神保町合宿、言葉に身を捧げた一生、絶対に言葉が必要だ・・・。

かなり変な人の馬締光也をはじめとして、個性的な面々が辞書作りに全力で挑む。
初めての辞書制作や突然訪れた美女との恋愛、ふりかかる困難やトラブル、初めての部下と残された時間、果たして『大渡海』は無事に出版されるのだろうか!?


<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

///これが馬締渾身の恋文だ///
溢れ出んばかりの思いを綴ったラブレターを西岡に講評してもらった馬締。
これで良いと言いつつも、笑いをこらえる様子の西岡。
105Pより。
―――馬締は腑に落ちず、なんだか自分をなさけなくも感じつつ、西岡から返された十五枚の便箋を封筒に入れ、鞄に収めた。―――
ラブレターが十五枚の便箋!?
その枚数だけで驚愕してしまうんだけど、その中身も気になる。
自身はまったく気にしていない馬締のキャラクターが確かに変人だ(笑)
(いきなり『大都会』の熱唱にも一本取られたぜよ)

さらにこのあとの展開で少しだけ手紙の内容が明かされるんだけど、そこがまた面白い。
230Pより。
―――「いまの私の心情を率直にお伝えするなら、『香具矢香具矢、汝を如何せん』といったところです」
こ、これは・・・・・!項羽が「四面楚歌」な状況に陥ったときに詠んだという、有名な詩のもじりではないか・・・・・!―――
岸辺ちゃんの切れのイイつっこみにおじさんも思わずニッコリよ(*´ω`*)
そしてなんとこの文庫にはおまけとして「馬締の恋文」ほぼ全文が収録されている。
しかも西岡と岸辺のコメンタリー付きで!


///綺麗事だけじゃできないのです///
原稿を修正されてプンプンな大学教授を説得するために、西岡は単身で乗り込んでいく。
172Pより。
―――辞書は綺麗事だけでできているのではない。商品であるからには、品質を保証するネームバリューは絶対に必要だ。監修者として松本先生の名前を表紙に載せるのは、品質保証の一例だ。―――
辞書にも人選というモノがあったこと改めて知りましたわ。
ほとんどの人にとって辞書に誰が関わったかなんてどうでもいいことなんだけど、辞書を選んで購入を決定する人達にとってはこれほど重要なことはないもんね。
名が売れているイヤな奴にもお願いしなきゃならん訳か。

///あの紙やこの紙をめくらずにはいられなくなる///
「大渡海」に使用する紙のチェックにやってきた岸辺。
以前に確認した紙はぬめり感が無いと馬締に言われて却下されたのだった。
(歯痛を起こした芥川龍之介みたいに難しい顔をする馬締・・・・・どんなんだろう)
258Pより。
―――肝心なのは、ぬめり感。馬締が一番重視しているぬめり感は、いったいどうだろう。岸辺は無言のまま唾をのみ、ゆっくりと紙をめくった。一枚、二枚、辞書のページをめくるように、紙の束をめくっていった。―――
読んでいると思わず辞書のページを触ってみたくなる。
でも辞書が手元にないから、手に持っている「舟を編む」のページをぴらりと捲って「う~むむ」と唸ってみる。
・・・・・やっぱり辞書じゃないとわかんないな(^^;)


<< 気になった・予想外だった・悪かったところ >>

///岸辺が辞書編集部送りになった理由///
初めて辞書編集部のある玄武書房別館にやってきた岸辺みどり(入社三年目)
気温&埃アレルギーのある体質なので、別館の汚れ具合に早くもげんなりしてしまう。
192Pより。
―――「ビッグプロジェクトだから」と聞かされていたのに、これでは島流し同然じゃないか。私、なにかヘマでもしたのかな。何度も考えたことをまた考え、憂鬱になる。―――
なんで岸辺が異動になったのか気になった。
本人曰く特に何かしでかした訳でもなさそうだけど、知らないうちにヘマをしていたのか?
辞書作りの増援として選ばれたからには何かしら理由があるのかもって思っちゃうよね。
う~むむ、気になるなぁ。

///謎を残す香具矢さん///
辞書に使用する新開発の紙チェックも終わって一息ついた岸辺は、香具矢の店である「月の裏」を訪れて気になっていたことを聞いてみることに。
266Pより。
―――「まじめさんのどこをいいと思われたんですか」
これでは失礼だと気づき、急いでつけ加える。「いえ、たくさんあるとは思いますが」
「辞書に全力を注いでいるところです」―――
容姿端麗で恋愛経験もそれなりにある香具矢がどうして馬締を選んだのか?
↑で語られていただけが理由じゃないと思うけど、やっぱり十五枚の恋文がクリティカルヒットしたんだろうか?
彼女が厳しい板前の道を選んだ理由も詳しく知りたいね。
一応本人の口から語られていたけど、辛い道だからこそ覚悟を決めるような何かがあったんじゃないかと期待しちゃうおじさん。
(なぜ玄武書房が馬締のような変わった人材を新入社員として採用したのかも気になる)


<< 読み終えてどうだった? >>

///全体の印象とか///
時系列順に荒木視点、馬締視点、西岡視点、岸辺視点、そして最後にまた馬締視点って具合に変化していく内容だった。ずっと馬締の視点だけで進んでいくもんだと予想していたから、これは予想外だったね。

それと今回の小説は恋愛小説枠として購入したつもりだったけど、恋愛パートは全体の三分の一くらいだったような印象ですわ。
お話の中心は「大渡海」の制作について、その箸休め的に恋愛なり成長なりが練りこまれていた。
(恋愛展開も馬締だけだと思っていたけど、そうでもなかった・・・)

///話のオチはどうだった?///
いや~、みんなで一生懸命になって長い時間をかけて一つのモノを作り上げるって、いいもんだねぇ。
そんでもって、ありきたりな終盤の展開だったのに思わず泣きそうになっちゃった。
周りに人目がなかったら涙が流れちゃったかもしれないわ。
そこまで胸にグッときた理由はやっぱり三浦しをんが作るキャラクターに情熱が詰まっているからなんじゃないかと!

悲しさもあるけど、それ以上に暖かな感情が溢れる終わり方で、作者様にありがとうございましたとこの場を借りて(*´ω`*)
(最終ページに印刷された「大渡海」の表紙を見て、改めて涙ぐみそうになっちゃったよよよ)

///まとめとして///
今やインターネットで簡単にいくらでも最新の言葉を調べられる時代。
この小説を読み始めた時は、辞書なんていらんでしょって考えたりもした。
でも電力や電子端末やネットが無かったら?最終的に残るのはやっぱり紙の辞書なんだと思う。
この地球に住むすべての人々に、平等に言葉を知ってもらうには紙の辞書じゃなきゃね。
(その前に言語と文字の統一が必要か)

長い年月と幾人もの情熱が込められて作られたモノが辞書なのだ。
舟を編む』を読んでそのことを知った今、一冊くらい辞書を持つのも良いかななんて思っちゃう。
でも期待していた恋愛展開には少し物足りなさを感じる内容だったので満読感7点!(10点満点中)
さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。


<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

舟を編む』は2012年(第9回)本屋大賞受賞作です。

2013年に実写映画化されている、さらに2016年にはアニメ化までされている!
どちらも有名豪華な俳優やら声優やらを起用しているね。ちょっと見てみたいわ。
6Pより。
―――荒木の両親は荒物屋を営んでおり、仕入れや店番で忙しかった。―――
「あらものや」は家庭用の雑貨類を売る商売、またはその店、雑貨屋など。

13Pより。
―――「やはり、定年になるのをのばせそうにありませんか」
「すまじきものは宮仕え、です」
「嘱託でもいい」―――
「すまじきものはみやづかえ」
他人に仕えることはいろいろと苦労があるから、なるべくやらないほうがよいという意味らしい。
まったくもってその通りだわ。可能であるならば自営業が一番良いよ。

23Pより。
―――「俺は東京ですが、両親の出身は和歌山です。問屋場のことを、馬締めとも言ったそうで」
「旅人に馬の差配をする、馬の元締めということか」―――
問屋場(といやば)は、宿場運営の中心的な施設で 問屋(宿場の代表者)を中心に宿役人たちが、宿場から宿場へ幕府等の書状を中継する手配や、参勤交代の大名行列等における本陣や旅籠等の手配や人足・馬の動員など重要な役割を負っていたとのこと。

86Pより。
―――「どうしたの、おばあちゃん」
「持病の癪が」
「そんな持病、おばあちゃんにはないでしょ。だいたい、癪ってなんなの?」
「差しこみのことです」―――
さしこみとは、疝痛とも言われる痛みの種類。
 これは通常の腹痛とは違い、何かに刺されるような痛みが特徴で、立っていられないくらいの痛みらしい。
酷い便秘の時や、尿管結石等の病気の時にもこの激しい痛みは起こるみたいで。

128Pより。
―――しかし、辞書づくりの邪魔になるといけないし、板前修業の邪魔をされても困るしと、千々に思い乱れるうちに時が経ってしまったと言っていました―――
「ちぢに」
さまざまに変化すること、多数に分けられる様子、など。

216Pより。
―――辞書以外でも、聖書、保険の約款、薬の効能書き、工業用品など、薄い紙の需要はさまざまなところにありますからね―――
「やっかん」
契約・条約などの取決めの、一つ一つの条項。

225Pより。
―――それにしても、データが古い。執筆者リストのなかに、数年前に物故した著名な心理学者の名前を見つけ、岸辺は腕組する。―――
「ぶっこ」
人が死ぬこと。死去。

282Pより。
―――「日本における近代的辞書の嚆矢となった、大槻文彦の『言海』。これすらも、ついに政府から公金は支給されず、大槻が生涯をかけて私的に編纂し、私費で刊行されました。―――
「こうし」
かぶら矢、または物事のはじめ、最初という意味らしい。

301Pより。
―――季節を問わず赤いTシャツを着ているので、赤シャツとあだ名されている。『坊っちゃん』の登場人物とはちがって、この赤シャツは変人だが明朗快活だ。―――
夏目漱石の「坊つちやん」の登場人物。
主人公の坊っちゃんが赴任した四国の中学校の教頭で、「赤シャツ」は坊っちゃんがつけたあだ名。
女のような声、いつも赤いシャツをきている、そしてきざで陰険な存在っていうキャラみたいね。


<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
深夜に帰宅して薄暗い玄関を開けて気の緩んだ瞬間、廊下の隅に何者かがしゃがみこんでいる!?
香具矢さん、あなたよく悲鳴を上げなかったね。
おじさんだったら間違いなく「うひぃ!」って声出しちゃうわ(笑)


108Pより。
―――早雲荘の廊下にしゃがんでいる馬締に気づき、深夜に帰宅してきた香具矢はびっくりしたのか、閉めたばかりの玄関の引き戸に背中をぶつけた。
「うわ。そんなところでなにやってんの」
「驚かせてすみません」―――

 

 

道徳の時間 読書感想

タイトル 「道徳の時間」(文庫版)
著者 呉勝浩
文庫 448ページ
出版社 講談社
発売日 2017年8月9日

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<<この作者の作品で既に読んだもの>>

・今回の「道徳の時間」だけ

<< ここ最近の思うこと >>

かな~り昔に『破線のマリス』っていう第43回江戸川乱歩賞受賞の小説を読んだのよ。
その小説には映像を作る者にとって忘れてはならないことが語られていたような気がする。
(上記のことと、あとは真犯人しか覚えていないくらい昔の話)

話変わって、職場にて新入社員の子に好きなTV番組ってあるの?と聞いてみたところ、『ザ・ノンフィクション』を好んで観ていると言っていた。
あーゆー暗い現実の映像を見て楽しめる気持ちがおじさんには理解できなかったけど、年を取ってきたこの頃は辛い現実を身近に感じるモノがあるのか、割とこーゆー番組アリかもって思っちゃったり。
(つーか『ザ・ノンフィクション』の魅力にハマりかけているおじさんがいる・・・)

そして前回、『野火』を読んだ後に今回この小説を選ぶとは、無意識の内に精神的なダメージを受けていたのかも(笑)
正しいこととか人としての道徳を求めているのだ。
つーわけで、いざ江戸川乱歩賞受賞作の中へ飛びこむぜよ(=゚ω゚)ノ


<< かるーい話のながれ >>

休業中のビデオジャーナリストである伏見祐大に仕事の依頼が舞い込んできた。
依頼主は越智冬菜という若い女性で、祐大をカメラマンとして指名してきたらしい。
彼女は十三年前に起こった小学校での講演会中に殺人を実行した青年のドキュメンタリー映画を撮るのだと説明した。

同じ頃、祐大の住む鳴川市では連続イタズラ事件が問題になっていた。
小動物を使ったイタズラには「生物の時間を始めます」、鉄棒を使ったイタズラには「体育の時間を始めます」というメッセージが残されており、住民たちは警戒心を強めていた。

そんな中、地元で有名な陶芸家が服毒自殺をした現場に「道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?」というメッセージが発見された。
殺人の可能性を考えて本格的に警察が動き出す中、祐大は冬菜に教えてもらった言葉を思い出した。
講演会殺人事件の犯人である青年は言った「これは道徳の問題なのです」と。
その後、青年は一切を黙秘して刑に服したらしい。
沸き起こる好奇心と自身のカンに負けた祐大は、冬菜の依頼を受けることにした。

自殺、タチの悪い奴、異常事態、鳴川第二小事件、道徳の問題、ドキュメント映画、ぬるま湯は肌に合いません、教育者育成会、同級生、三番目の夫、アスレチック、真相はどちらでもいい、狐に化かされた気分、あれに近づくな、子供の悪戯、同じ穴のムジナ、任意同行、鮮やかなブルー、みんなくん、湯浅教育研究所、一筋の傷が残る舌、モラルの拳、この先が観たいんです、犬を食べる話、やり切れない告白、愛情も平等、彼の言葉・・・。

鳴川市で連続するイタズラ犯は一体誰なのか?
自殺した陶芸家の現場に残されていたメッセージの意味は?
黙秘を貫いて刑を受け入れた青年の真意と目的は果たして!?


<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

///中身も外見も素晴らしい伏見朋子がイイ///
伏見祐大の奥さんである朋子。
自他ともに認めるプロポーションと皆に好かれる性格、そして素晴らしき母であり妻である女性。
息子の成績を「終わっている」と語りつつ、将来は絵描きか漫画家になってくれたら老後は安泰と楽観視する器の大きさ。
尊敬する陶芸教室の先生を罵られても、最終的には夫を励まして仕事に送り出してくれる優しさ。
『道徳の時間』において女神のような存在の彼女、そして気になるのは何故主人公と結婚したのか?
良き女性ほど尖がった男性を好む傾向があるのだろうか・・・。
(劇場版アニメ『シロバコ』の遠藤夫婦みたいだ)

///結局のところゆとり教育ってなんだったの///
伏見のご近所さんで、子供同士が友人の駒井。
自警団の見回りを終えて、主人公と二人で学力重視の教育と社会が何故危ういのかということを語る。
112Pより。
―――受験戦争というシステムが、長らく右肩上がりの経済大国を支えた理由だった。
「一方で問題もあります。与えられた課題への対応に慣れ切ってしまえば、自ら課題を見出すことができなくなる。その範囲でしか物事を解決できなくなる」
「そこで想像力や柔軟な思考なんかを鍛えようとしたわけですね。つまり人間力ってやつだ。でも失敗した」―――
このあとどうして失敗したのかって理由もしっかり語られているんだけど、読んでみて納得したよ。
グローバルな人間を育成できるのはどんな人なのか?目先の利益しか視ない大人にはまず無理だろう。
(そもそも教育次第でどうにかなるモノ・・・なんだろうかね?)

///当たり前だけど、みんなそれぞれ事情がある///
この小説では色々な事象にはっとさせられることがあった。
祐大が鯨幕を見ると腹が減るのは何故だろう?
内野さとみという人物はどのような内面を隠しているのか?
殴られて鼻血を流す吉川誠の笑みに何を感じたのか?
おじさんが普段からどれほど色眼鏡をかけて他人を視ていたのか思い知らされましたわ。
(でも小説と現実は違うからっていう心の声に流されないよう、いつまでも柔らかくありたいです)


<< 気になった・予想外だった・悪かったところ >>

///働いてなくても家計が苦しくても、譲れぬモノがある///
子供同士のトラブルで、ガラの悪い吉川という人物と関わりを持ってしまった祐大。
ヤクザとも繋がりをもっているチンピラのようだが、祐大は自分一人でことを収めようとする。
18Pより。
―――青柳さんに話を通してみましょうか?という厚意は丁寧に辞退した。つまらない意地だが、権力者の世話になりたくない。一匹狼のジャーナリストとして、染みついた習性だった。―――
カッコイイこと言っているが、結局相手の言われるがまま金を渡す約束をする祐大。
自分や家計の現状が分かっているのだろうかと疑問に思う。
さらには新たに始めた仕事のことや、吉川との金銭解決策を朋子に一切報告・相談しないなんてちょっとどうなんだとツッコミたくなったけど、頑固で意地っ張りな男だからしょうがないってことか。

///もう少し具体的に言ってあげたら?///
動物に対して酷いことをしようとした誠を殴りつけて止めさせた友希。
正しいこととはいえ、暴力を使った息子に社会のルールを説明する祐大。
20Pより。
―――「ぼくはどうしたらよかったん?」
「説得するしかないんや。おれらには言葉がある。言葉で誠くんを説得せなあかんかったんや」
「言ったよ。ぼく、誠にたくさん言ったんやで。やめ、って。そんなことしたらあかんて」同情を押し隠し、伏見は断じた。
「それでも殴ったらあかん。あかんもんはあかん。そう決めとかな、社会は回らんのや」―――
いやいや、そこは相手の手を掴むとか動物を逃がすとか、そーゆー具体的なこと教えてあげれば良いのにって思っちゃった。
誰かや何かを守るために力は必ず必要になるんだから、頭ごなしに暴力=悪っていうのはどうかと。
(そういやアカデミー賞授賞式でのウィル・スミスは重い処罰を与えられてたなぁ、如何なる場合も暴力は悪!・・・・・とはいうけど、あれは情状酌量の余地ありだと思うわ。コメディアンも悪いだろ)


<< 読み終えてどうだった? >>

///全体の印象とか///
ミステリー小説(でいいのかな?)なので主人公である伏見雄大の視点だけで語られていく。
毎回のことだけど、これはおじさんの好きなタイプの作りだわ。

ページ数が448Pもあるのに、どこを読んでも面白いんだからさすがだね。
いくつかの事柄が同時進行していく展開のおかげなのかな、それに少し渋みのあるシニカル(?)な伏見雄大の語りが気に入ったせいもあるかも。
(人によっては好き嫌いがはっきり分かれそうな文章って感じかと)

///話のオチはどうだった?///
いやぁ~こんなに熱い意志が込められた話だったなんて、まったく想像してなかったわ。
人生ガチャでこれほどのハズレを引いてしまったら、おじさんだったら即ドロップアウトしちゃうよ。
だけど彼らは違った。
―――生き延びるために戦うこと、それ以外に確かなモラルなどない―――
この言葉がビシッとおじさんの胸に刻み込まれちゃった、痺れるぜよ。

とはいえ、生きる為ならなんでもやってヨシ!なんて言ったら世の中すぐ無法地帯でしょ。
だからこそ、人と人の間には「道徳」っていう概念が必要なのさ。
人間社会の中で生きる為に必要なモノ、それが「道徳」なのだ(`・ω・´)
当たり前のこと語っちゃったけど、そんなことつらつら考えちゃうくらい突き刺さった小説だった。

///まとめとして///
派手な展開があるわけでもなく、グロい描写があるわけでもないし、恐怖するような話でもない。
なのに最後まで熱中読書してしまったのは何故なのか?
たぶん人間の根本に訴えるような道徳の問題がテーマだったから、なんて思った。

前にも書いたけど、読み終えて悩んだり考えたりしちゃう小説は名作ってやつではないかと。
みなさんも社会に揉まれる大人になった今だからこそ、懐かしい「道徳の時間」を再開してみませんか?ってな訳で満読感9点!(10点満点中)
さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。


<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

『道徳の時間』は第61回江戸川乱歩賞受賞作なのです。

7Pより。
―――鯨幕を見ると腹が減る。この罰当たりな条件反射を、誰かに明かしたことはない。―――
「くじらまく」とは葬儀の際、式場などで目にする黒と白の2色が縦に入った幕のこと。

66Pより。
―――「・・・・・『ゆきゆきて、神軍』をやるつもりか」異様な情念を抱えた犯罪者を、執拗に追った傑作が脳裏に浮かぶ。―――
ゆきゆきて、神軍』は1987年公開の日本映画。太平洋戦争の飢餓地獄・ニューギニア戦線で生き残り、「神軍平等兵」と称して慰霊と戦争責任の追及を続けた奥崎謙三の破天荒な言動を追うドキュメンタリーとのこと。
今村昌平企画、原一男監督の作品で、日本国内外で多くの賞を受賞したらしい。
ガルパンを思い浮かべてしまうのは何故だろう・・・)

160Pより。
―――「そりゃ危険ですよ。でも滝田先生は無頼というか奔放というか、一風変わった人で、そういう所に無頓着、今で言うと無責任ってことになるんでしょうけど、とにかくなんでもやってみろって感じでしたね。」―――
「ぶらい」とは無法な行いをすること、そういう人。
または頼みにするところがないこと、とのこと。

193Pより。
―――人を殺しにいく興奮や躊躇も、人殺しを止めに行く焦燥も読み取れない、いたって普通の歩行に見える。いかに記憶が改変されるかの傍証となった。―――
「ぼうしょう」とは間接的な証拠。
または直接の証拠とはならないが、その証明を補強するのに役立つ証拠。

356Pより。
―――どんな綺麗事を並べても、世間はそれをいかがわしい行いとみなし、陰に陽に、好奇の目を向けるのだ。―――
「いんにように」とは、あるときはひそかに、あるときは公然とって意味らしい。


<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
作為的過ぎるインタビューに怒りを抑えきれなくなった祐大は、帰りのエレベーター内で冬菜に詰め寄り問い詰める。
326Pより。
―――それは世界中で見てきたいくつもの顔を、伏見に思い出させた。
絶望を日常的に受け入れ、明日自分が死ぬことにいささかの驚きも持たない顔。
「お前―――、何もんや?」
女は黙って、じっとこちらを見つめてくる。黒目がちの瞳の奥に、釘づけの自分が映っている。―――

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なんだか似たような構図の絵ばっかりになっちゃっている気がする。
もうちょっと奥行というか立体感というか、次の段階へ上りたい今日この頃ですだすよ。
おじさんも誰かに「こいつ、1UPしたな」って言われてみたい(´・ω・)
(最近なぜかあのCMがお気に入りのおじさん。特に岡野陽一が出ている『喫茶店店員の証言』編が大好きです)