忘れないでね 読んだこと。

せっかく読んでも忘れちゃ勿体ないってコトで、ね。

殺人依存症 読書感想

タイトル 「殺人依存症」(文庫版)
著者 櫛木理宇
文庫 408ページ
出版社 幻冬舎
発売日 2020年10月7日

 

 



<<この作者の作品で既に読んだもの>>

 

・今回の「殺人依存症」だけ

 

 

<< ここ最近の思うこと >>

 

読書界隈のネットやらSNSやらでよく見る「イヤミス」という言葉。
ま~た変な言葉を作ってからに、しょーもない!なんて老害な思考で調べるのを避けていたけど、凝り固まるのは良くないなぁって考え直し、どういう意味なのか調べてみた。
「イヤミス」とは、ミステリー小説の一種で、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のことをいいますってことらしい。へぇ~なるほどねぇ~。イヤー&ミスで、聞き間違い系の物語(←なんのこっちゃ)なのかなって思っていたわ(笑)
そして思い出すのはブログ開始前に読んだ貫井徳郎の『慟哭』だね、あれはほんとにダウナー系の・・・・・違う、イヤミスな小説だったわ(´-ω-`)

 

ほい来た長さん待ってたほいってことで、今回の小説。
いつものようにTwitterで流れて来て、その過激なタイトルと様々な感想にそそられて購入した一冊。
読む前に想像しているのは、『殺戮に至る病』とか、映画「SAW」もしくは「Hostel」みたいにかな~りエグい殺人描写がこってり語られているんじゃないかと。これは気を引き締めてかからんとね(; ・`д・´)
ではでは、脈拍をしっかり整えて。
女子や子供を攫っては凌辱・暴行・殺害し最後にはゴミ同然に死体遺棄する卑劣な外道たち。奴らを捕らえる為に死力を尽くす警察組織の、執念の捜査に同行させてもらうぜ(=゚ω゚)ノ

 

 

<< かるーい話のながれ >>

 

河川敷の草むらから激しい暴行を受けたであろう女子校正の遺体が発見され、荒川署に特別捜査本部が建てられた。六年前に同じような事件で息子を失った杉浦克嗣も捜査に加わり、過去の悲劇と後悔に苦しめられながら犯人の手掛かりを探して捜査を続ける。
事件当日の目撃情報から被害者は電車での痴漢被害の後、消息を絶ったことが判明し痴漢容疑者の似顔絵を手がかりにして犯人たちへと迫っていく捜査員たち。
その時、小金井市で起こった男児失踪事件で新たな手がかりが見つかり、警察は犯人たちへ一気に迫るのだが・・・。

 

非常識な女、楽しませて、この世に例外はないと、平凡すぎて似顔絵にしにくい顔、アメリカのサーバ、こいつは僥倖だぞ、白骨死体、同一人物ですよ、おやすみなさい、さらっちゃいましょうよ、今度は俺の番だ、あたしより惨めなやつ、きみはその代わりなんだ、けいこ、社交サークル、ソーギ、容赦してくれませんでした、祖母の形見だ、驚くべき数値、流刑の神々、今度一緒に行きませんか?、チャンスはあげたやんか、俺は最低な男だ、有終の美を飾るにふさわしい子だった・・・。

 

女子校正の杉浦架乃は息子を失い抜け殻となった母親と二人で暮らしている。
刑事である父親は辛い現実から目を背け、家を出て行き仕事に逃げいた。
架乃は父親のことを理解しつつも軽蔑しながら、何の変哲もない日常を過ごしていた。
そんな彼女に希望を与えているのはSNSで知り合った「KikI」という人物で、憧れにも信仰にも近い気持ちを持って「KikI」に生きる活力を求めていた。
ある日、偶然にも父親の衝撃的な場面を目撃してしまいショックを受けてしまう架乃。気持ちの整理が付かず、思い悩み苦しむ彼女のスマホにある日「KikI」からリアルで会わないかとの誘いが届く・・・。

 

 

<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

 

///外道の言い分になるほど///

署に連行されてきた容疑者たちを眺めながら、杉浦と高比良は生活安全課の捜査員が語る犯罪者の思考について考える。それはあまりにも自分本位で同情の余地もない欲望だった。
162Pより。
―――「お堅い職業で、家庭も職場も順風満帆。さらに愛する妻子がいる生活————。それでいて、なぜこんな馬鹿をやらかすんでしょうか。自分の娘が同じように痴漢されたら、いやだと思わないのかな」
「それがね。この手のやつらってのは〝もし自分の娘が〟という考えには絶対いたらないんですよ」―――
思いやりの精神が皆無の酷い犯罪者の習性だな(`・ω・´)
だがしかし、誰しも欲望を発散させる時にいちいちこのキャラやセクシー女優にも家族や愛する人がいてうんぬんかんぬん・・・なんて考えて興奮を高めていく奴なんていないでしょ(笑)
いや中にはそーゆーバックボーンをもスパイスとして楽しむ輩もいるだろうけどぉ。
なんにせよ生身の、無関係の、お互いに同意のない他人に身勝手な欲望をぶつけるのはダブー中のタブーだ。外道な行いをした奴には「六波返し」くらいキッツイ厳罰をキッチリ与えねぇとな(゚Д゚)ノ

 

///SNSの活用方法///

杉浦架乃は塾の帰りでバスに乗っていた。ずっとスマホを眺めている自分を客観視して、以前にメディアで流れていた「若者のスマホ依存症」を思い出す。老若男女問わず、誰だって口に出して言えない悩みは抱えているのだが、それを吐き出せる場所が匿名のSNSだった。
192Pより。
―――いま架乃はツイッターにアカウントをふたつ、インスタグラムにひとつ持っている。フェイスブックは基本的に本名推奨らしいので、ログインしたことはない。架乃が欲したのは、あくまで匿名で心情を吐きだせる場所だった。―――
最近、『上手な心の守り方』っていう本を読んでいるのよ。その中でストレスを何でもいいから形にして外に出すと良い的なことが書いてあった。そして架乃の主張を読んでハタと気づいちゃった、SNSで複アカやら裏垢を持つ理由(のひとつ)が。
匿名のSNSに吐き出すことによってストレスやら悩みやらを、形にしてアウトプット出来る。加えて、「いいね」が付けばつくほど承認欲求も満たされていくダブルお得プラン!
おじさんもいよいよ裏垢デビューする時が来たか?もちろん若いギャルと偽って(笑)
でもいつか承認欲求モンスターになっちゃうだろうから、最強は「いいね」表示なしで裏垢持つ方法か。

 

///怪物の誕生に至るまで///

杉浦は痴漢グループにいた女性に何かを感じ取り、その素性を特定することが出来た。
三件の事件が同時に解決し、合同特捜本部が解散した打ち上げ会場で、杉浦は上司に単身で女性を追うことを告げる。上司の返答は三カ月以内で成果を上げろというもので、杉浦は徹底的な調査を開始した。
258Pより。
―――浜真千代は一九六×年、神奈川県横浜市の海沿いで生まれた。
旧姓は小塚。当時の父は中小ながら鋼構造物工事会社の社長で、母は専業主婦だった。三歳下の妹がいる。―――
母親でさえ我が子を置いて先立ってしまうほどの地獄。それを全て受けることになってしまった幼過ぎる少女の人生。その渦中から逃れる術は当時の日本でもいくつかあったかもしれないけど、ハードルがあまりにも高すぎるて。生き延びるには、外道になる他なかった訳か。辛すぎるやろ(>_<)
そんな中でも287Pのところではちょいとスカッとした気分になったね。でもそれが新たな被害者の誕生でもあったり。
生きてるだけでも良かったじゃないか、なんて言葉は軽々しく言えないわなぁ。
催眠療法とかで犯罪被害者の悪い記憶や感情を消すテクノロジーはまだ出来ないのかねぇ。それを応用して凶悪犯にも死刑の代わりに人格の改変を・・・・・あ、カッコーの巣の上ががが('Д')

 


<< 気になった・謎だった・合わなかった部分 >>

 

///なーんで教えちゃうんだよ///

杉浦はある事情から、隣に住んでいる母子家庭の子供を預かる事となった。その子は小学二年生の亜結という少女で、母親の一美は元実父からの暴力に耐えかねて母子ともに逃げ出したのだが、むかし居場所を突き止められて酷い目に会ったらしい。
123~124Pより。
―――なお亜結たちの居場所を洩らした元同僚は、
「だって、子供のためにも親子三人で暮らすのがいいと思ったから——————。え、子供がさらわれた?折れた骨が内臓に刺さりそうだった?そんなこと、こっちに言われたって・・・・・。よかれと思ってやったことですし?」
と終始きょとんとしていたという。―――
ここねぇ、な~んで引っ越し先を周りの人に教えちゃうのかなぁ?
ひょっとして相手が詮索屋でグイグイ訪ねて来たから、ついぽろっと言っちゃったとか?
行政サービスを使ったのなら事前に転居先を誰にも教えないでくださいってアドバイスされそうな気もするけど・・・まぁ結婚関係のトラブル皆無な独身オジなんで、詳しい事情は知らないんだけどさ(;´・ω・)

 

///もしご自宅のお水が臭いだしたら///

都会生活を捨てて古民家を自分たちで改築し、生まれ変わった新居へ越してきた夫婦。
リフォームされた古民家もさることながら、夫のほうは庭に設置されていた古井戸をとても気に入っていた。しかし妻のほうは井戸の水を飲食に使うことを拒んでいた。
205Pより。
―――釣瓶で汲みあげた井戸水を、まず一口含む。冷えきった井戸水で、全身が浄化される気がした。残りの水は、庭の植木と畑に撒いてしまう。―――
うげぇ~、こんなんもう最悪や(;´Д`)
そんなモンを何日間か知らんけど、ちょぴっと飲んでいた夫は体調不良にならなかったのかな?
マンションの浄化槽にアレが入っていたってのはニュースとかで聞いたことがあるけど、浄化槽と放置されていた井戸水では汚染レベルに差がありそうじゃん、詳しくは知らないけど。
まぁとりあえず、この場面は『殺人依存症』の中で数少ない失笑ポイントってことで(^^;)

 

///まさしくホームラン級の馬鹿だな///

四年前に起きた八王子女子中学生失踪事件の犯人らを突き止めて、署に連行した警察はすぐに取り調べにかかった。動かぬ証拠を提示すると犯人らは嘆き悲しみ、次第にふてぶてしく犯行内容を語りだした。その中でも、四十代のポルノ愛好家である国家公務員の供述は呆れるものだった。
231Pより。
―――彼の持論によれば「女が『いやいや』と抵抗するのは、自分をお高く見せて値を釣りあげる」で、「どんなに抵抗しても、犯されれば喜んでしまう下等生物」だそうだ。
「犯されて喜ぶ、となぜ断言できるんだね?」
取調官が訊くと、彼は自信たっぷりに、
「どんなに暴力的なAVでも、最後には女は声を上げ、快楽堕ちしています」
と答えた。―――
いやいや、流石にこんな濃過ぎる思考キャラはフィクション味が強くなっちゃうんじゃないの?笑いもほぼ無いシリアス一直線な物語の中にコントのようなキャラが登場すると、なんとも雰囲気がぐにゃっとしてくる気もする。
まぁ実際フィクションなんだから問題ないんだけどさぁ(^^;)
でも個人的にはこーゆーキャラ好きだよ、友成純一作品にスカウトしたくなるわ。そしてネチネチと苦痛を味わいながら消滅していって欲しい。眉間に一発で楽に死ぬような最後じゃつまんないわなぁ。
ちょっとフィクション味が強すぎる思考回路のキャラだけど、でも現実いると想定して観たり読んだりしたほうがコチラの心情としては盛り上がるよね。
でもこれは創作だってことを忘れちゃいけない。いつまでも健全に読書を楽しむ為に自分を盛り上げる妄想もほどほどにしないと。AV女優妄信国家公務員みたいになっちゃうからさ(笑)

 

 

<< 読み終えてどうだった? >>

 

///全体の印象とか///

時代設定はスマホもSNSも浸透している現代の日本が舞台で、基本的には主人公を中心にした三人称視点で話は進んでいく。
時折、被害者や杉浦架乃、または実行犯などにスポットが当たる部分もあったりする。
初っ端から地獄に突き落とされる展開で幕を開け、そこからはずっと冷たくて重くてどんよりな雰囲気が続いていくんだけど、たまに亜結と杉浦の暖かい場面が沈んでいく読者の心を温めてくれるのが有難い。
これは作者からの優しさなのか、それとも更なる地獄へのスパイスなのか(;゚д゚)ゴクリ…

 

インパクトある表紙に期待してトンデモナイ場面や描写があるのかと期待、じゃなくて不安だったけど読者の想像力で補わせるやり方で書かれていたから、グロとか苦手な人でも読みやすいかと。
友成純一の作品に比べたら人体破壊的な描写は全然少ないけど、かわりに精神がずぅ~んと重くなっていくテイストはバッチリですわ。

 

///話のオチはどうだった?///

いやぁ~キツイっすわぁ。
仕事行く前に読み終えたんだけど、もう朝からテンション下げ下げだったよ(笑)
ある者にとってはどん底の底って結末かな、おじさんも声を出さずに慟哭してしまいましたわ。
まぁねぇ、表紙カバーがあんなんだからきっと酷い終わり方になるだろうって想像はしていたけど、それでもやっぱりこれは・・・・・つわみざわだよ(ノД`)・゜・。

 

その一方で、別の者にとっては新たなる人生の始まりとなっていた。あの人がこれからどんな事をしていくのか、道徳心を無視して答えるとするなら・・・・やっぱり楽しみって思っちゃう。
でもでもこのまますんなり済ませるなんて納得いかないよって気持ちもあるからさ、あの人にもう一度立ち上がってくれ、立つんだジョー!!って応援を送りたくなるけど、無理だろうなぁ。

 

///まとめとして///

え、コレって続きがあるんだよね?
このまますっぱり終わりじゃ『本性』と同じように悶々とした澱が残ってしまうんだけど。
シリーズとして他にもあるけど、同じキャラが出てくるのかはわからないし調べ過ぎてうっかりネタバレするのも嫌だからなぁ。やっぱり続編?を買って読むしかないってヤツか。
他の依存症シリーズでも読み終わってうみゃ~んって気分になるのかな?とりあえずこの『殺人依存症』は読了感嫌な気分好きの元上司にオススメしてあげたいね(笑)

 

さてさて締めとしませう。
作品を選ぶときはどうしても自分の好きなジャンルに固まってしまうから、たまにはこーゆー系のお話も悪くない。感性を健康に保つにはバランスが大切だからね。
だがしかし、コレは今のおじさんにとって強烈過ぎるわ。すぐにでも精神を癒してくれる暖かい小説が読みたくなる満読感、頂きました。
さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。
24年12月3日、仕事に行くのがけだるい火曜日の晴れた寒い朝に読了。

 

 

<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

 

29Pより。
―――墨痕淋漓たる看板は、荒川署会議室の入り口に貼り出された。―――
「ぼっこんりんり」とは、筆で書いたものが生き生きとしてみずみずしいさま。 
「墨痕」は墨のあと、墨を使って表現したもので、「淋漓」は水や汗や血などが流れ落ちること、 または、筆の勢いが盛んなってことらしい。
令和の時代になっても、毎回誰かが筆書きして看板作ってるのかなぁ?まぁ、プリントアウトされた文字では、捜査に必要な気合と根性が入らないのかも知れんね。

 

75Pより。
 ―――鼓膜の奥で、娘のこまっしゃくれた声がよみがえる。―――
「こまっしゃくれた」とは、子どものしぐさや口の利き方が、変に大人びていること。
子供だと思って侮るなかれ、彼らは常に新世代の人類なのだから(`・ω・´)

 

177Pより。
―――それにあたしが煙草を吸わんのは、甘みを感じる味蕾がニコチンで鈍るのがいややから。―――
「みらい」とは、舌や軟口蓋、咽頭の上皮に数多くある、10〜100個の細胞が集まり花のつぼみのような形をしている受容体。この中には甘味や苦味など、味を感じる細胞だけでなく、味を感じる細胞が正常に働けるようにサポートする細胞など、様々な細胞があるようで。
おじさんはいつも歯を磨くついでに舌の上も歯ブラシで軽くこすっているけど、大丈夫だよね?
一応、食べ物や料理の味はしっかり感じられているし(^^;)

 

193Pより。
―――彼女のレビューで、架乃はイアン・マキューアンやテレツィア・モーラなどの作家を知った。―――
「イアン・マキューアン」はイギリスの小説家。1975年に短編集『最初の恋、最後の儀式』で作家デビュー、同作で翌1976年にサマセット・モーム賞を受賞した。
「つぐない」や「チルドレン・アクト」など映画化された作品も多い。

「テレツィア・モーラ」は、ドイツ・ハンガリー人の作家、脚本家、翻訳家。
19歳でハンガリーからドイツに移住し、いまやドイツ語圏を代表する作家の一人となったテレツィア・モーラは、2018年のゲオルグ・ビューヒナー賞をはじめ数々の受賞歴があるようで。
どちらの人物も全く知らなかったわ。どんなレビューだったのかおじさんも読んでみたいね。

 

268Pより。
―――そんな料簡の男に、何年も会社を切り盛りできますかね」―――
「りょうけん」とは、よく考えてより分けること。 考察して検討すること。考えをめぐらして判断すること。つまりはそんなクズの考え方する奴が社長業なんて出来るのか?ってことか。
後に語られる杉浦の言葉に納得してしまったわ。

 

330Pより。
―――どんなに仏道修行に励んでも、女身のままでは成仏できない変成男子説が長く信じられてきた。―――
「へんじょうなんし」とは古来、女子(女性)は成仏することが非常に難しいとされ、いったん男子(男性)に成ることで、成仏することができるようになるとした思想。
こんなん田嶋先生が知ったら激怒するぞ!きっと既知のことなんだろうけど。
今も昔も、人間て無茶苦茶なことを妄想して妄信するよねぇ。まあおじさんも人のこと言えないけどさ。

 

371Pより。
―――「あらもう病気やな。病膏肓、いたぶり好きの不治の病や。―――
「やまいこうこうに入る」という言葉の意味は、もともとは病気が医者の手の下しようもないほど重篤になった状態のことをいっていたらしいけど、最近は趣味などに熱中して手のつけられないような状態の時に用いられることが多いようで。
さすが知能指数上位2パーセントの人間だわ、珍しい言葉を知っておられる。

 

 

<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

 

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
190Pより。
―――亜結は眉を八の字に下げた。そして、彼女のほうから手を差しのべてきた。
「だって寂しいだろって言うとき、いつもおじさん、自分が寂しそうな顔してる」―――

『噂』の時の絵でもそうだったけど、くたびれた中年男性が女性に手を差し伸べてもらうっていうシチュエーションに弱いのかも(;´∀`)
だって女の子だって王子様に手を差し伸べてもらうシチュが好きでしょ~?
もう令和なんだし~、男の子だってお姫様に優しくされたいって妄想してもいいじゃないのぉ~。
あ!中年男がなに女々しいコト言ってんだよキモイって思ったそこの貴方!!
この多様性の時代にヘイトな思想を持っているとポリコレ棒でお仕置きされるぞ(`・ω・´)

 

鏡の中は日曜日 読書感想

タイトル 「鏡の中は日曜日」(文庫版)
著者 殊能将之
文庫 486ページ
出版社 講談社
発売日 2005年6月15日

 

 



<<この作者の作品で既に読んだもの>>

 

・「ハサミ男」はブログ開始前に読んだ。
・「美濃牛」
・「黒い仏」

 

 

<< ここ最近の思うこと >>

 

むかしむかしに友人らと兼六園に行ったことがある。
石川県の観光地をテクテクと歩き回る工程のひとつが兼六園で、歴史背景もわびさびもわからず疲労感も蓄積されていたせいか、なんだか楽しめず良さもわからず早々に一回りして退散し、また行進する旅に戻っていってしまった。
今思い返すと、もっといろんなことを下調べしておけばよかったなぁって後悔だよ。
旅行に行く時は目的地の歴史をサラッと調べておくだけでも、楽しみは倍増するのに毎回実行に移せず、同じ後悔を繰り返してしまう。教訓を忘れるのも人間ということか。

 

そんな昔を思い出したところで今回の小説。
同シリーズの過去作を二冊読んですっかり虜になってしまった。でも既に作者がお亡くなりになられているので、もう新刊が出ることはない悲しい現実よ(´-ω-`)
ままま、起こってしまった過去はひとまず脇に寄せといて。
前作はとんでもねぇ展開になって驚かされたけど、この話ではどうなるのか楽しみだわ。つーか楽しみにするなって方がムリでっしゃろがい!
それじゃ、法螺貝のような家で行われる「火曜会」におじさんも飛び入り参加して、あの有名な名探偵に会いに行こうとしようじゃないか(=゚ω゚)ノ

 

 

<< かるーい話のながれ >>

「鏡の中は日曜日」
1987年に起こった殺人事件の再調査を依頼された石動は、名探偵シリーズとして連載もされたその事件と、実在する名探偵に興味を持ち調査を請け負った。
既に何度か読んだ「梵貝荘殺人事件」をもう一度読み直しつつ、当時の関係者への聞き込みをしていく中で、石動は作中での違和感のようなものに気付く。

 

こわくてしかたないんだ、思い出したか?、死体を見つけろ、罪はつぐなわれねばならない、実際の事件だよ、法螺貝、ご職業は名探偵なんですよ、おいさらばえた男、いいかげんなやつ、やな世界だよな、告発本、どんな夢を見るのだろう、そこがこの事件の最も興味深い点です、夜はもう終わった、最後の訪問、ごく単純な見落としです、実にユニークな推理だ、僕のささやかな願い、シリーズ最新作のアイディア、サインしてください・・・。

 

自身の直感と集めた情報を整理して依頼主への報告書を書いている時、石動の元に信じられないような連絡がきた。あまりにも非現実的な話を聞かされた石動は捗らない報告書を中断し、単身石川県の金沢市へと向かうのだが・・・。

 

「樒」
紅蓮荘事件を解決した名探偵水城優臣は、事件の関係者から招待されて香川県の山深い温泉旅館へとやって来た。同じく招待されていた鮎川育介と共に観光しつつ旅館へと向かう。
旅館のある地域には天狗塚なるモノが存在いるようで、興味をそそられた水城が訪れてみるがそこに祀られているはずの「天狗の斧」がきれいさっぱり消え去っていた。
慌てふためき警察を呼ぶ宮司を尻目に、その場を離れることにした名探偵とお供の二人。
その日の夜、旅館で恐ろしい事件が起こってしまう・・・。

 

「榁」
香川県にやって来た石動は、旧友との再会ついでに彼が経営している温泉旅館へと宿泊することになっていた。温泉や食事を堪能してから、手の空いた旧友と天狗塚がきっかけで観光地化に成功した話やら、それにともなって繁盛していった旅館の話やら、色々と話に花を咲かせていたのだが、一人の宿泊客が深刻な顔でフロントにやって来ると女将にこう言った。
「マスターキーを貸してもらえませんか」
その後に続く言葉を聞いた女将の顔は見る見ると青ざめていき・・・。

 

 

<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

 

///なんかジワジワ効いてくる小ネタ///
智子のお供として梵貝荘にやって来た田嶋だったが、フランス文学科助教授の藤寺は部外者である田嶋のことをどうしても覚えることができず、事あるごとに名前を訪ねてきた。
164Pより。
―――「ええ。彼女は古田川智子くん。そして、彼は・・・・・」
藤寺が田嶋の顔を見上げて、目をぱちくりさせた。
「きみ、名前なんだっけ?」
「田嶋民輔です。よろしく」
田嶋は藤寺を無視して、水城に挨拶した。―――
141Pのところでしっかり「田嶋」って聞いただろうが、なんですぐ忘れてるんだよ(笑)
コツコツと重ねていく笑わせ方しやがって。この時おじさんの脳裏に浮かんだのは、ドラマ「タイガー&ドラゴン」の西田敏行ね。自分が名付けた弟子の「うどん」という名前をすぐに忘れる落語家師匠よ。
梵貝荘事件が終わるまでに、果たして田嶋は名前を覚えてもらえるのかどうか(;^ω^)

 

ふへっとさせてくれる場面をもう一つ。
梵貝荘殺人事件について当時の関係者に話を伺っている石動は、東京国際フォーラムで当時フランス文学科助教授だった藤寺に会って話を聞いていた。現在は私立大で教授をやっており、様々な知識に出会えることが楽しいと言う。
282Pより。
―――ローズ・ファン・ファンとはなんだろう?石動は内心首をひねっていた。たぶんブランド名だろうが、石動の脳裏に浮かんだのは、一凛の薔薇をくわえた岡田真澄の姿だけだ。―――
なんてこった、おじさんも同じようにファンファン大佐を思い出してしまった(笑)
あの頃はとんねるずの仮面ノリダーに夢中だったからなぁ(´▽`)
個人的にこーゆー小ネタが読書を楽しむ為に必要なファクターなのよね。
ちなみにローズ・ファン・ファンとは、株式会社ローズファンファンインターナショナルが展開するレディースファッションブランドで、コンセプトは『女のコのキュートさに、オトナのセクシーさをプラスした甘めデザインを提案するカジュアルブランド。女のコの可愛さをいつまでも忘れないオトナにも、ちょっと背伸びをしてオトナっぽさも取り入れたい女のコにもピッタリのスタイル』ってことらしい。
平成に多くのティーンに支持され絶大な人気を博した109系ブランド、とのこと。

 

///はにゃ!にゃんだこりゃわ~!?///
ダム・オックスの事務所で集中豪雨の外を眺めながらぼんやりしていたアントニオは、かかってきた電話を取り内容を聞くと、信じられないような言葉を思わず発してしまう。
329Pより。
―――電話が鳴った。
「はい、有限会社ダム・オックスです」
アントニオは受話器を取ると、やる気のなさそうな声で返事をしたが、すぐに表情に驚きの色が浮かんだ。―――
もう一度言うよ。ななな、なんだこれは!?
97Pのところでも「オイオイ終わっちまったよ!」って驚かされたのに、まさかこうなるなんてね。
そして343Pのところでも、ついにあの人に遭遇か?ってドキワクしていたら355Pでまさかまさかの、そのまさかな展開にぃぃぃΣ(・□・;)
んもう連続して押し寄せてくる予想外な大波に揉まれてのまれて、ずっと興奮して読んでいたわ。
この感覚は今のところ「読書」という行為じゃないと味わえないね。

 

///なんちゅうラッキーな男なんやアンタは///
飯七駅を降りて高見旅館へと向かう道中で、石動は旅館の社長になった次郎と話をしながら歩いていた。話題が天狗塚のこととなり、石動は昔そこでめぐり合ったとある幸運を思い出した。
511Pより。
―――「そういえばさ、一回だけ、夜中にすごい美人のお姉さんがひとりで入ってたことがあったよ。いやあ、あそこまできれいだと、ラッキーと喜ぶより、恥ずかしいというか、照れくさい気持ちになっちゃったなあ。―――
まさかあの人の裸体を?なんと羨ましいんだ石動!
あの人関連で羨ましいと言えば、394Pでのこともドキッとしてしまう。い、一体どんな悪いことを教えられちゃったのか・・・・・心の底から裏山ぁ~(*´ω`*)
しかしラッキーがあれば災難もある訳で、534Pでは・・・・・まぁ女将の気持ちもわかるし石動の災難にも同情しかないわな(笑)
名探偵?石動戯作が醸し出すこの緩いけどちょい緊迫した雰囲気が好きなんよ。

 

 

<< 気になった・謎だった・合わなかった部分 >>

 

///ズラズラと語られる各地の魅力///
今回もいろんな観光地が登場してその度にしっかり丁寧な紹介文?も書かれているんだけどぉ、歴史や人物&地理・建築に疎いおじさんにはその良さが理解しづらく、思わずあくびがでちゃいそうにも(;^ω^)
176Pでは鎌倉の鶴岡八幡宮の描写がまったく頭に入ってこなかったし。でもそれには理由があって、店内の隣の席で汚い頭のデブいオッサンが部下?のガキにクドクドと説教していて集中できなかったんよ。
バカの話と説教は長いってことを実感したわ、自分も気をつけよう。
あと416Pでは崇徳院御陵のお話が歴史授業そのもので、つまらなくはないんだけど楽しいって訳でも無く長いし、そのあと始まる崇徳天皇観光紹介編もじっくり長く語られており・・・・・。
こーゆー描写は大切だし昔よりは楽しめるようになってきたと思ってたんだけど、まだまだ自身の読書レベルが低いことを痛感しますたわ。

 

///全く馴染みのなかった詩の世界///
梵貝荘の中庭にて行われる火曜会。フランス文学科の生徒である智子と中谷は、いきなり龍司郎に指名されて日頃の勉学レベルの査定をされることとなった。
210Pより。
―――龍司郎が突然、智子と中谷のほうに視線を向けた。
二人は震え上がったらしい。智子の背中が緊張で強張るのが見てとれた。
「火曜会にいらしたくらいですから、おふたりともマラルメにご興味がおありなんでしょう?水城さんにptyxのソネについて、説明してあげてくださいませんか」―――
龍司郎の口頭試験から始まる部分がなかなかに難しくて初めて読んだ時まったく意味がわからなかった。この人たちは何を話してるの?なんでUNIXで水城は笑ったの?ついでに書くと『樒』の421Pに書かれている松山天狗の詩もさっぱりよ(>_<)
でもね、詩についてわからなくても問題なし。小説の物語は充分に楽しめるのでご安心を。
それに何度も読み返していたら、単語の脚韻のことを話し合っているのかぁ~ってほんのりと分かってきた気がするし(;´∀`)
分からない部分は、後からでいいからじっくり何度も読み直してみることをオススメしまつ。

 

///過去の教訓が生かしきれていない///
高見旅館で起こった過去の事件を連想してしまった女将の綾子は、すぐに問題の部屋へと駆けつけて扉を開けようとするが内側からかんぬきがされており開けない。
それに気づいた石動が中の人に呼び掛けながらドアを叩こうとするのだが・・・。
533Pより。
―――「どないしたんや。鍵開かんかったんか?」
二郎がそばに近づいて、声をかけると、
「鍵は最初からかかってへんかった。そやのに、ドアが全然開かへんのよ」
綾子はドアをにらみつけたまま、震える声でそう答えた。―――
あんな事件があったのに、なぜ対策もとらないでかんぬきをそのままにしといたんだろう?
ひょっとしてアンティークを売りにしている宿だから改装したくなかったのかな?それにあんな奇妙な事件がもう一度起こるなんてっていう気持ちもあったのかもね。

 

 

<< 読み終えてどうだった? >>

 

///全体の印象とか///
2001年に何らかの病気で妻に介護されながら穏やかに過ごしている男の話から始まって、次に1987年に起こった梵貝荘殺人事件と2001年に再調査を依頼された石動の話が交互に進行していく。
そして最後に2001年の石動が事件の真相に辿り着くところで締められる。
一番最初の介護される男の話だけ一人称視点で、他の話はすべて三人称視点で語られる作り。
(66Pとか79Pの謎の声は一体誰のものだったんだろうね)

樒と榁は別のお話ではあるけれど、二つで一つの作品・・・と言ってもいいよね?
観光宣伝も兼ねたかっちり推理名探偵モノと、ほのぼのちょっぴりミステリーな組み合わせでふたつの味が楽しめるお得なおセットかと(笑)

 

『鏡の中は日曜日』は、奇妙な作りの建物が舞台で登場人物もけっこう多い。はっきりいっておじさんの苦手なタイプの小説・・・・・でもご安心あれ!
最初のほうに梵貝荘の見取り図&立体図が掲載されているし、主な登場人物たちの一覧も付いている超親切設計なのです。おじさんも読書中にはなんどもこのサービスに助けられましたわ。

 

 

///話のオチはどうだった?///

『鏡の中は日曜日』
時系列的には殺人犯が死?を迎える場面が最後になるんだけど、なんとも悲しいラストになっちゃったなぁ~って、やるせない気持ちになった。
おじさんもユキの悲しむ場面を想像するのは辛谷園なのよ(´;ω;`)
でもその後に続く物語で、石川県の兼六園にて幕が下りるところはすんごい良かった。
なんだか胸が温かい気持ちで満たされたのよ。冷血な殺人事件が起こる名探偵推理小説だからこそ、幸せになって欲しいって思えるキャラクターが必用不可欠なんよね。

 

『樒/榁』
樒のオチとしてはそんなにサクッと入るものなのかなぁ?って少し疑問に思ったけど、高さとかあればそーゆーこともあるのかなと。そして荊棘島に好奇心を刺激された名探偵がそのあとどんな事件に遭遇するのか、おじさんも同じように好奇心をそそられましたわ。
榁のオチは、このキャラらしい結末で思わずクスっとしてしまう締め方だったね。憧れた存在になるまでにはまだまだ長い年月がかかりそうだわ。あと読了した大抵の人がそうであるように、おじさんもすぐに落語の「崇徳院」を調べてしまったよ。

 

///まとめとして///
『美濃牛』、『黒い仏』、『鏡の中は日曜日』と、石動シリーズも三作を読み終えたけどどれもタイプの違うお話ってことに驚かされたわ。いや名探偵ミステリーってジャンルは変わらないんだけどさ。
主人公が名探偵のはずなのに毎回あんま活躍してなくない?詩とか俳句とか音楽とか、小難しいことズラズラ書いててわからない?とにかく文章量がめちゃ多くない?それなのにいつもおもしろく読めてしまうこの不思議。
でもひとつわかるというか想像できるのは、石動シリーズを書く時の作者は毎回ニヤニヤしながら執筆してたんじゃないかなぁ~ってこと。あくまでもおじさんの想像だけど。
奇妙な小説を書く殊能将之という人物がどんな人生を送ってきたのか気になってきた。
作者自身に興味を持つなんて初めてのことかも。(あ、友成純一が最初だったかな(;^ω^))

 

さてさて締めにしましょうか。
この小説を読んでそんな感想で終わりかよって思われるかもだけど、将来はユキみたいな女性に優しく介護される生活を送りたいけど、現実に望みはないからアニメ「君は冥土様」を観て寂寥感を満たしたくなる満読感、頂きました。
さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。
11月09日の土曜日、朝晩は冬で日中だけ秋のピーカン晴れな日に読了。

 

 

<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

 

47Pより。
―――「わざわざ浄妙寺参りに来るなんて、奇特な子だね」
ユキが運転席に乗り込む。
「はい、コーラ」
ユキがぼくに青い缶を渡す。
缶は冷たさを放ち、一面に水滴を浮かべている。―――
コーラで青い缶?どーゆーこと?
調べてみるとニュージーランドのほうでは青いコカ・コーラ缶があるとかないとか出て来たけど、そんなもんが日本の寺にポンと売られている訳ないし・・・・・。
あぁ!まさかペプシ・コーラってことか!?
調べてみると2001年のペプシ缶は確かに青色だ。

 

105Pより。
―――「ダム・オックスとは<だんまり牛>という意味で、トマス・アクィナスの学生時代のあだ名です。―――
「トマス・アクィナス」(1225年頃 - 1274年)は中世ヨーロッパ、イタリアの神学者であり哲学者。
彼の名言として「誰かを愛することは、その人に幸福になってもらいたいと願うことである」って言葉があるらしい。うーむ、まさしく真理ですな。

 

129Pより。
―――テレビのニュース解説によると、なんでもダイポールモード現象なるものによる異常気象らしい。残念ながら、解説委員の努力にもかかわらず、なぜインド洋の海面温度が日本の猛暑に関係があるのか、石動にはよくわからなかった。―――
ダイポールモード現象とは、インド洋熱帯域において初夏から晩秋にかけて東部で海水温が低くなり、西部で海水温が高くなる大気海洋現象の事を言うようで、その影響で起こる風や気候の変化はエルニーニョ現象と同様に世界の気候に大きな影響を与える事が明らかになったってことらしいけどぉ。
もうさっぱりまったくわからんわ( ˘•ω•˘ )
とにかく日本列島が異常に蒸し暑くなるってことでいいか?じゃあ2024年のずっと続く真夏日気温もダイポールモード現象が関係していたのかねぇ。

 

134~135Pより。
―――「卒業してからは、ほとんど読まなくなったな。白書だのレポートだの、読まなくちゃいけないものが多くて、小説なんか読んでられないよ」―――
「白書」とは、ある方面についてその現状の分析と将来の展望をまとめた実状報告書。
ちなみに、「あすなろ」というのはヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹のこと。「檜」よりも木が比較的小さいことと、葉の裏側が檜と違う点から、「明日は檜のようになろう」という成長の意思を持っているという意味で「あすなろ」と言われるようになったようで。
つまり「あすなろ白書」っていうドラマは、若さゆえの悩みや喜び、 時間の経過の重さや大切さを描いた青春群像劇ってことらし。
まったく観たことないけど、タイトルの意味はなんとなくわかったよ(笑)

 

136Pより。
―――若い頃は、どうしてもああいうタイプに惹かれるもんだ。腺病質の文学少女タイプというか」―――
「腺病質」とは、体格が貧弱でリンパ節などの腫脹を起こしやすい、小児の虚弱体質ってことらしい。
つまり古田川智子は、か弱くて静かな美少女ということかな?
そんなもんは大抵の男性が惹かれてしまうわ(*´ω`*)

 

264Pより。
―――だが、マルチニーク人が話しているのはフランス語じゃない。クレオール語だ。フランス語をベースにした、彼ら自身の言語だよ」―――
「クレオール語」とは、植民地で入植者の言語が先住者の言語と混ざって形成され、その土地の母語となったもの。英語系・フランス語系・スペイン語系など各種あるらしい。
早いとこ全世界共通言語を作ろうよ、もう2024年なんだしさぁ( ˘•ω•˘ )

 

278Pより。
―――路上の机に置いたラジカセが、少なくとも東京都民にとっては耳慣れたCMソングを大音量で流していた。ここは有楽町なのに、「不思議な不思議な池袋・・・・・」と歌われているのが、実に妙だった。―――
歌詞を検索してみたところ、ビックカメラのテーマソングがヒットした。
旧テーマソングは1978年の創業後間もないころに作られたようだけど、おじさんは「ビークビックビックビックカメラ♪」の部分しか知らなかった。こんな歌だったのね。

 

318Pより。
―――ペダントリーとウィットに富んだ会話の妙にも感心しました。―――
「ペダントリー」とは、知識や教養をひけらかすこと、学者ぶること、知ったかぶりのことを言うらしい。おじさんもペダントリーにならないように気をつけよう(^^;)

 

323Pより。
―――母親は紺の絣を上品に着こなして、麦わら帽子をかぶっている。―――
「かすり」とは、文様がかすれて見えることが特徴の文様織の一種で、絣糸を使用した織物のこと。 

 

347Pより。
―――「そういえば、このあいだ、若い観光客に静明寺の場所を訊かれたな。徳田秋声の墓参りに来る若者がいるなんて、日本もまだ捨てたもんじゃないね」―――
「とくだ しゅうせい」とは(1872年 - 1943年)日本の小説家。日本の近代文学を代表する作家の一人。帝国芸術院会員。
現実社会に目を向け『新世帯』『足迹』『黴』『爛』『あらくれ』などを発表。最後となる長編小説の『縮図』に取り掛かるも、戦時下に権力の干渉に遭って挫折し絶筆となった。
「日本もまだ捨てたもんじゃないね」というセリフの真意を知りたい。文学を理解している若人がいるからってこと?

 

451Pより。
―――ぼくは骨董に関しては無知に等しかったが、根付のなかに高価で取り引きされる逸品がある事は知っていた。指先ほどの小さな素材を繊細に彫り込んだ芸術品として、日本のみならず海外にもコレクターが数多くいると耳にしたことがあった。―――
「ねづけ」とは、日本の江戸時代に使われた留め具。煙草入れ、印籠、巾着や小型の革製鞄、矢立などを紐で帯から吊るし持ち歩くときに用いた。江戸時代から近代にかけての古根付と、昭和・平成以降の現代根付に大別されるらしい。
はえ~こんな風にして使うのか、これは確かに便利グッズだね。それに粋って感じがするよ。

 

466Pより。
―――宮司も細かいことはよく知らないらしく、水城が天狗の名を訪ねると「天狗様というお名前です」と答えて恬然としていたし、天狗塚を築いたのは誰かと問うと「それは天狗様のお仲間でございましょう」と真顔で返答した。―――
「てんぜん」とは、恥ずべき事などを何とも思わないで、平気でいるさま。

 

514Pより。
―――含意をくみとってパラフレーズすれば、「夫の友達だというから無理して部屋を用意したのよ。ありがたく思いなさい」ということだろう。―――
「パラフレーズ」とは、語句の意味を分かりやすく別の言葉で述べること。
この言葉の意味を読み解くとってヤツかな?あんなにあどけなく可愛らしい感じの少女が、こんなことをチクリと言ってくる旅館女将になっているなんて・・・・・アリかも(*´ω`*)

 

530Pより。
―――次第に話すことがなくなり、夕食の付けあわせに出てきた黒いそら豆の名前がしょうゆ豆だということを聞き出した頃には、ふたりとも沈黙する時間が長くなっていた。―――
「しょうゆ豆」とは、香川県の郷土料理で乾燥させたそら豆を煎って、熱いうちに醤油、砂糖と唐辛子を混ぜた調味液に漬け込んだもの。煮豆とは異なり、醤油に漬け込む前に豆を煎ることで、軽く噛むと口の中でポロッとくだける独特の食感が楽しめる。
最近では主に真空パックにしたものが製造されており、香川県の代表的な郷土料理としてスーパーマーケットなどで市販されている、だと?これ以上ない酒の肴やん、今すぐ注文しないと!

 

559Pより。
―――「これ、祖父お気に入りのギヤマンで、江戸時代の南蛮渡来のものなんですよ」
「はあ、そうですか」―――
「ギヤマン」とは、主に江戸時代のヨーロッパ製カットガラスの呼び方。
ポルトガルやスペイン、オランダなどから届いたガラスの多くは、ヴェネチアングラスやボヘミアングラスなどのカットガラスで、その製法を用いて江戸や薩摩などでカットガラスが作られるようになると、日本製の「江戸切子」や「薩摩切子」などもギヤマンと呼ばれるようになりました。
切子のおちょこで飲む冷酒は、一味変わって美味くなる気がする。

 

 

<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

 

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
341Pより。
―――「主人はいつ退院できるんでしょうか」
女性は尾崎に近づくと、いきなりそう問いかけた。
「ええとですね、まだ検査が完了していないので・・・・・」
尾崎はしどろもどろに答えた。
「どうしてそんなに検査に長くかかるのかな」―――

石動シリーズに登場する主要な女性キャラは、今のところみんな髪色が黒色ではないね。何かこだわりみたいなモノがあるのかな?
おじさんも赤でも茶でも黒でも、美人or可愛い女性ならなんでも良いんだけどさ(*´ω`*)
つーか、毎回女性キャラを中心に描いてるじゃねえか!なんてこったチクショウ。
・・・・・・・でも仕方ないよね、男の子だもん(;´∀`)

 

 

横浜ではまだキスをしない  読書感想

タイトル 「横浜ではまだキスをしない 」(文庫版)

著者 樋口有介

文庫 346ページ

出版社 角川春樹事務所

発売日 2018511日

 

 

 

<< この作者の作品で既に読んだもの >>

・「風の日にララバイ」

・「遠い国からきた少年」

・「少女の時間」

・「風景を見る犬」

・「魔女」

・「夏の口紅」

 

 

<< ここ最近の思うこと >>

ひっさしぶりに思い出したけど、2016年の9月に『窓の外は向日葵の畑』っていう小説を読んだのよ。男子高校生が主人公で、いきなり姿を消した女子生徒を探す夏のお話なんだけど、浮かんでくるイメージは明太チーズもんじゃと日焼け少女の真夏ちゃんだけ()

細かい部分は全然覚えていないのが寂しくなるねぇ~。っじゃあなんで読んだ日付を覚えているかって?このブログ開始前に感想は書いたけど没にしたモノがいくつかあって、その一つが『窓の外は向日葵の畑』だったってことですたい。それならなんで急に思い出したの?って聞かれると、今回の小説を読んだせい・・・かも。

 

そんなこんなで樋口作品です。

2021年に作者が亡くなってから最新刊の『うしろから歩いてくる微笑』を読む前に、既刊本を読み漁るぞプランの第二弾。あらすじを読んでコレはぜひ夏に読みたいと思っていたけど、タイミングがズレたか何かでもう10月。でも温暖化現象のせいか、日本の気候がオカシクナッテいるのか、まだまだアホみたいに暑いから無問題。

それじゃあ、黄金町の大岡川沿いにある元畳屋から始まる、美女と陰謀と不思議な猫に振り回された男子高校生の夏休みに飛び込んでいこうぜ(=ω)

 

 

<< かるーい話のながれ >>

高校二年の夏休みが始まったばかりの桐布アキオは、離婚して出て行った父親にある事を頼まれた。父親曰く、能代早葉子なる警察官が父親の実の娘だと告げてきたらしく、アキオにその真偽を見極めてほしいという依頼だった。父親は過去に警察に煮え湯を飲まされ、今では別の妻を持ち子供も生まれそうなのでなるべく騒ぎ立てたくないらしい。

能代の話がもし本当ならアキオの実姉になる人物で、父親から高額のおこづかいまで貰ってしまったアキオは仕方なくその依頼を引き受けた。

 

それが父さんの宿命だよ、歓呼堂、幽霊はなぜ夏に出るのかしら、冒険の旅に出たいです、フィーリングだよ、合格点、今年の夏休みは楽しくなる予感がしたの、たまたま、やはりなにかの確執がある、事件も解決したようなもの、怒っても無駄、幸運のピークか、自分の階級、もう事件には関わるな、背中の悪寒、負け犬の遺伝子、お前に大事な話がある、あると思うのは人間の感傷、宿命としてのご縁、キスもしていないのよ。

 

年上の人妻と秘密のアルバイト、ネジのぶっ飛んだ美少女と探偵ごっこ、そしてどこの誰ともわからない女性と謎の死を探る真夏の時間・・・。

今年も去年のように退屈だけど平和な夏休みなると思っていたアキオは、今まで生きてきた中で一番忙しくて運命的な夏休みを送ることとなる。

 

 

<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

///IQ135のぶっとんだ美少女///

アルバイト中に寄った港の見える丘公園で、アキオは小学生ぶりにクラスメイトの村崎メイと再会する一見お嬢様風な美少女だが、その中身は予想外のモノだった。38Pでは腰の後ろで腕を組み、憂うような瞳で首を傾げる仕草って、もうこれだけで可愛いと分かるメイの描写。

なのに話してみると43Pでは、早く歩けないのと告げる彼女はもしかして病弱な身体?・・・・・かと思ったら歩けるんかい!ただ単に疲れるからって理由が()

そんなメイの挙動で一番驚かされたのはココかな。

ミケと赤レンガ倉庫へ行った後、山下公園でメイと待ち合わせをしたアキオ。

やって来たメイにミケの事情を説明するのだが、どうにも彼女は信じられないらしくいきなり強硬策を実行した。

141Pより。

―――「でもアキオくんにだけ話をするのは不自然すぎます」

言ったかと思うと、もうメイはこぶしを握り、知らん顔で目を閉じているミケの頭に、ガツンと拳骨を入れる。

ミケがギャッとわめき、メイの腕から跳びおりてベンチに着地し、そこからぼくの肩にジャンプして、震えながらキャップにしがみつく。

「メイ、おまえ、どうした?」―――

いきなり拳骨はヤバイよメイちゃん、そして拳骨した理由もなんつー無茶苦茶な()

これはアレだね、西尾維新の物語シリーズに出てくる戦場ヶ原ひたぎみたいな感じのキャラかな。その他にもクレイジー系美少女の奇抜な言動&行動が満載だから、気になる方は読んでみるとヨロシ。

 

///親子の持論がおもしろい///

メイと二人で野毛山の動物園にやって来たアキオ。

久しぶりに訪れたチンパンジーの檻の前で、メイが買ってきたソフトクリームを食べながらアキオは動物園の魅力について語る。

100Pより。

―――「アキオくん、チンパンジーがお好きなの?」

「特別にチンパンジーが、ということもないけどさ。動物たちを見ているといろんなことを考えさせられる」

「たとえば?」―――

アキオが気付いた進化論の嘘になるほどなるほど、言われてみればそうだよなぁ~。

たまたま特異な個体が生き残ってきただけってのは、ロマンはないけど救いはある説って感じか。人間や動植物はこの先どうなっていくのかなぁ?
なんて途方もないことを一瞬考えちゃった()

それにしても動物園よ、もう何年行ってないのかなぁ。

久しぶりに行ってみたい気もするが、でもおっさん一人は行きづらい(;´Д)

 

続いてアキオの母親の持論。

自宅にて母親が仏像を木彫りする作業を眺めているアキオ。

作業が一段落したところでアキオは大学進学についての打診をしてみたが、意外にも一番問題となっていた資金面についてはあっさりと解決した。しかし母親は大学で学ぶ事についてこだわりがあるようで。

126Pより。

―――「だけどアキオ、政治とか経済とか、ああいう汚い学部はダメよ」

「分かってる」

「哲学とか心理学とか、詐欺みたいな学問もダメ」

「そうだね」

「文学部もダメ。文学なんて自分で本を読めばいいんだから」

「うん、一応ね、自然科学系を考えている」―――

子のアキオが面白いことを考えるのなら、母親のほうも独特な学問感を持っていたね。

汚い学部に詐欺みたいな学問て()

そして文学なんざ本を読めば良いんだからって、確かにそうかもしれないけどさぁ(;^ω^)

こんだけスパッと言い放てる大人に憧れるよね、たとえ間違っていたとしても惹かれるものがあるわ。やはり自信のある人間は魅力的ってことか。

 

///新説!官僚システムの成り立ち///

大学受験勉強の合間に、メイから送られてきた過去の週刊誌記事を読み始めたアキオ。父親の書いた官僚利権を追求する記事は、確かにユーモラスで鋭く切り込まれた面白いものだった。

200Pより。

―――面白いのは「日本の官僚誕生物語」という記事で、一般的に官僚システムの成立は明治以降とされているが、親父の見解は徳川時代。―――

なるほどこれは確かに分かりやすくて納得してしまう説だわね。

でもお侍の時代なら必要なくなった人員はお上の一声で簡単に切り捨てられそうだけど、そーゆー訳にもいかなかったのかな?用済みでクビは理不尽すぎるってことで反乱でも起こされたら面倒かもだけど。

しかし勤め人の為に必要のない仕事を用意するなんて、羨ましすぎる立場ですなぁ(;´∀)

海外にも官僚に似た存在ってあるんやろうか?

 

 

<< 気になった・謎だった・合わなかった部分 >>

///乙女が恋する理由とは///

なんで村崎メイは桐布アキオにベタ惚れしたんだろう?作中ではもう愛してるってレベルの惚れ具合。確かにアキオがモテる系男子であることは詩帆との関係から想像できるけどさ、それでもねぇ(;´ω)

実は小学生の頃にメイが先に好きになって、転校後ずっと死んだと思っていたら港の見える丘公園で偶然に再会。さらにメイの自宅にあるランプシェードはアキオ母製の物、こりゃもう運命でしょって感じで盛り上がったのか?

メイ自身も中身がぶっ飛んでいるにしても、外見は美少女だし実家が太いんだから狙う男は多そうだけどね。

まぁ、それを言ったら大抵のラブコメ作品は成立しなくなっちゃうけどさ()

 

///季節と共に移りゆくもの///

歓呼堂の詩帆からアルバイトを依頼されたアキオは、誘われた軽井沢の話を頭の隅に置きつつ届け物を持って出発した。届け先の客層は社会的立場のある者がほとんどらしく、信頼と秘匿性が重要視される業務だった。

35Pより。

―――こんなアルバイトが一週間もつづくことがあるし、月に一、二度のこともある。去年の例からして夏は暇だろう。―――

なぜ夏はアレの受注が少ないのか?やはり立場ある人たちが顧客なら、夏季休暇の時期は家族サービスとかであちこち出かけるから?

寒くなってくると人肌恋しくなるから欲も沸き立つってのは共感できるけど、現実市場でも冬の方がアダルトな動画の売れ行き良いのだろうか。

自身の経験から考えてみるとぉ~・・・・・一年を通して変わらないけどなぁ(;^ω^)

 

///気づいてた?気付かなかった?///

保士ヶ谷にある能代早葉子のマンションへ電撃訪問したアキオ。
早葉子が出生するに至った経緯や、本当の血縁関係を知った後の選択などを聞きながら、彼女が信用できる人物かどうか判定する。

73Pより。

―――「それで母に、それとなく聞いたの。そうしたら『実は』と。気にはしなかったのよ。能代の父は凡庸だけど善人だし、私も海産物問屋のお嬢様でいたほうが楽だったもの」―――

早葉子は両親の血液型OとBからA型の子供は生まれないと知り、自身の出自に気付いたようだけど、親父さんのほうはどうだったのか?

自分の子供の血液型って知らなくても普通な事なのかね?

まぁ世の中には自分の血液型を知らないって人が何人かいたけどさ(;´∀)

血の繋がらない早葉子のパパさんは仕事一筋で子供に関してはそれほど気にしないタイプだったのか、はたまは善人だったから知っていたけど知らないふりをしていたのか・・・。

 

 

<< 読み終えてどうだった? >>

///全体の印象とか///

2016年に単行本の『ぼくはまだ、横浜でキスをしない』が刊行されているから、恐らく20142015年くらいの時代設定だと思う。

いつものように全てアキオの一人称視点で語られている作り。すっかり脳に馴染んだこのスタイルが落ち着くわぁ。

 

今まで読んで来た樋口作品には珍しい点があって、主人公とその父親がしっかり登場してお互いに会話をしているのがおやっと思った。

それに樋口節的な独特表現が少ないような、万人向けにマイルドになっているようにも感じたね。この作者の作品を読み慣れたおじさんには、ちょいと物足りない気もした。

あとなんか実写のフォトがちょいちょい載っていて、電動自転車と美少女のモデル(おそらく村崎メイ役)が物語の想像を助けてくれる。

でも作中のメイはショートヘアーだったはず・・・。

 

///話のオチはどうだった?///

ビックリするような展開もあったけど、最後はなんやかんやで大円団。

いささか全てがうまくいき過ぎなハッピーエンドに物足りなさを感じるのは、やはり中年読者の感性の問題か?

まあ高校生の夏物語なんだからこれくらいが丁度いいのか。

7月後半くらいの夏の始まりに読むのが一番オススメな物語だったね。

 

そして気になるアキオとメイの関係ね。

大学受験を控えた二人はこの先どうなっていくのか?

負け犬の遺伝子が発動してしまうのか、メイの気まぐれが夏休みと供に終わってしまうのか、それとも五十年後も二人でこの場所にいるのか?

ワタシ、気になります!・・・・・・・いや、でもやっぱり知りたくない気もする()

 

///まとめとして///

今回の小説に書かれていた変態小説家と黄金町、たしか前回読んだ小説は友成純一の髑髏町奇譚・・・。これまさしく奇妙な偶然か?

まあそんなことは置いといて()

あっさりテイストの文体、若者向け青春ラブコメファンタジー?、洒落た電動自転車、美少女モデル起用のフォト画像、ひょっとして『横浜ではまだキスをしない』は若い世代を取り込むために、色々とコラボして作られた一冊だった?

もしそうだとしたら、販売結果はどうだったのかなぁ。個人的に無責任に考えたけど、読書しない人に寄せるより読書家は何故読書を楽しめるのか?ってことを探求していけば、その先に読書人口増加の何かが見つかるかも?なんてこと思った今日この頃です。

 

なんだか話が逸れたから締めとしませう。

男の子なら誰しもが憧れてしまうボーイミーツガールな夏休み。童心に帰ってアオハルな香りを嗅いだ気がしたよ。

この一冊を読み終えて、2024年の夏は終わったわ( ˘ω˘ )

高校生に戻って、夏の日差しを浴びながら電動自転車で横浜をゆったり走りたくなる満読感、頂きました。

さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。

241012日の土曜日。朝晩はすっかり冷え込むのに日中は26℃まで熱くなるヘンな天気の日に読了。

 

 

<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

14Pより。

―――親父のほうは東京のマンションで普段はまるで没交渉だから、隠し子の一人や二人出てきたところでぼくにどんな禍根が残る。―――

「ぼっこうしょう」とは、交渉がないこと、無関係、という意味らしい。

 

23Pより。

―――「北海道の函相寺、新幹線ができて観光客が増えてるらしいわ。私は作品さえつくれれば文句はないけどね」―――

北海道の函相寺というのはネットで検索しても見つからないから、これはフィクションということか。まあ、像のお顔を色っぽくお願いする寺を実名で出したりするわけないし当然よね()

 

29Pより。

―――なにかの催事に「伊勢左木町ブルース」とかいう歌謡曲が流れることもあるが、ここ以外では聞いたことがない。―――

「伊勢佐木町ブルース」は青江三奈の楽曲で、196815日に発売された7枚目のシングル。

伊勢佐木町は神奈川県横浜市中区の繁華街であり、当曲は同場所のご当地ソングとしてもよく知られているとのこと。

2001年公開の映画『ウォーターボーイズ』では、劇中の挿入歌としても使われたらしいけど全く分からない。だからYouTubeで探してみたら・・・・・あぁ~、このイントロ!!

 

77Pより。

―――警察官の能代さんが親父に「また罠を仕掛ける」可能性も考えられないし、それどころか親父の汚名を雪ごうとまでしている。―――

汚名を「そそぐ」とは、不名誉や汚名を、名誉・功績によって消し去るという意味。または恥や、よごれを洗い落とす。「すすぐ」とも言うらしい。

そそぐと聞くと流し入れているみたいで、汚名を追加しているのかと思っていたわ(^^;)

 

89Pより。

―――「フグは食べられないでしょう」

「餌から毒が蓄積されるだけでフグ自体に毒はない。おれは食べるために飼ってるわけじゃないけどさ」―――

フグが毒を持つのは、餌によって体内に毒が蓄積するためで、自ら毒をつくり出している訳ではないようで。 どうもフグは偶然に餌から毒を蓄積しているのではなく、餌としてテトロドトキシンをつくる海洋細菌を食べている巻貝やヒトデ類を好んで食べているからってことらしい。

実験的にフグを卵から人間の手で管理し、人間が与えた餌のみで育てると無毒のフグとなるだってさ。養殖のフグなら免許なしで素人でも調理して良いんだろうか?いやしないけどさ(;^ω^)

 

136Pより。

―――「アキオねえ、ワタシ、赤レンガ倉庫へ行きたいな。あそこのバシャミチアイスって、ものすごく美味しいよ」―――

明治2年に横浜・馬車道通りで町田房蔵という人物が日本人ではじめてアイスクリームを製造販売したといわれていて、「横濱馬車道あいす」はその風味をイメージして仕上げたらしい。

ちょっと懐かしい味わいのアイスかぁ、ソフトクリームかと思ったら以外にもカップアイスだったのね。赤レンガ倉庫で馬車道アイスを食べる夏休み、過ごしてみたいねぇ。

 

147Pより。

―――元町のメインストリートにブティックが多い理由は、昔元町カジュアルとかいうファッションが流行った名残りだという。―――

「ハマトラ」とは、1970年代後半から1980年代前半にかけて、横浜・元町界隈で流行したトラディショナル・スタイルのファッション。「横浜トラディショナル」を略して「ハマトラ」と呼ぶらしい。
横浜・元町界隈に集う女子大生たちの独特のコーディネートを指し、主に女子学生やその年齢層の若い女性に好まれたってことみたいだけど、コレが「元町カジュアル」ってことなのかな?


338Pより。

―――「泊っているグランドマウンテンビューというホテルに、よさそうなレストランがあった。アキオ、今夜の七時でどうだ」

「お父様、あのホテルには『奥信濃』という料亭が入っています。おすすめは霜降り肉のしゃぶしゃぶで、おつまみには馬刺しも珍味です」―――

ネットで探してみたところ、グランドマウンテンビューなるホテルも奥信濃という料亭も見つからなかった。どこかを参考にして造ったのかな?逆玉の輿なアキオが羨ましいねぇ~。

 

 

<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

今回はコチラの場面を描いてみた(=ω)

268269Pより。

―――お袋の木槌がとまり、メイが腰をあげ、そのロングスカートが妙に決然と、僕のほうへ歩いてくる。いつもはぼんやりした感じの目が、今夜はぼくの顔に焦点を結んでいて、なんだか、怖い。

「やあ、来ていたのか」

「来てはいけないの」―――

畳屋と言えば、人生で一度だけ店内に入っていったことがあるのを思い出した。

めっちゃ若い頃にバイト仲間で呑み会をした時に、酔いつぶれてダウンした後輩の実家が畳店だった。ダウンした彼を数人で担ぎ運んで、その様を見たご両親は「ご迷惑をおかけしてすみません」と謝られていたけど、コチラこそご迷惑をおかけしてほんとごめんなさいだったわ。急性アルコール中毒とかになっていたら洒落にならんもんね。
マジお酒は適量を楽しみましょうってことよ。

遠い思い出だなぁ・・・・・歳をとってしまったなぁ(´-ω-`)