忘れないでね 読んだこと。

せっかく読んでも忘れちゃ勿体ないってコトで、ね。

CF 読書感想

タイトル 「CF」(文庫版)
著者 吉村萬壱
文庫 336ページ
出版社 徳間書店
発売日 2025年1月10日

 




<<この作者の作品で既に読んだもの>>

ブログを始める前に「ボラード病」やら「バースト・ゾーン―爆裂地区」やら「独居45」やら「臣女」など色々読んでいる。

・「回遊人」

・「クチュクチュバーン」


<< ここ最近の思うこと >>

地元からちと離れたスーパー銭湯の露天風呂から見下ろす街並み風景。その中に製紙工場の煙突がにょっきり立っているんだけど、いつ見てもモクモクと白い煙を出し続けているんだよね。
製紙工場でなんでそんなに白煙が出続けるのか謎なんだけど、それを眺めながら湯につかるのが極楽なんだよね~。最近行ってないからまた行きたいなぁ(*´ω`*)
話変わって。
謎会社の巨大建造物が白煙を出すと言ったら、アニメ「フリクリ」のメディカルメカニカを思い出しちゃう。あのOVAめっちゃ好きなんよね、作中の楽曲が全部「the pillows」の曲ってのもめちゃセンスいいし、続編も出たみたいだから早く観たいなぁ~なんて思いながら未だに視聴の予定なし。

はい、そんなこんなでやってきました今回の小説。
久しぶりの吉村萬一作品だいっ。
長編の文庫版が出たからすぐに手に入れたけど、帯には「予言的作品」とか「超問題作」とか、おじさんの期待値をバサバサ扇いでくるじゃないの。これは期待しちゃっていいのかなぁ?
ではでは、謎の巨大企業CFが提供する怪しすぎるサービスがグングン根を張りだして、何かが失われ始めた世界に向かってダイブするんじゃ~い(=゚ω゚)ノ


<< かるーい話のながれ >>

事故や事件の責任を消滅させるサービスを提供している超巨大企業Central Factory(通称CF)。
全国各地に建造物が建ち、日本のみならず海外にも進出しているCFの本社がある街で暮らす人々は、責任消滅サービスをどこか怪しいと思いながらも、受け入れて日々を過ごしている。
CF作業員、クラブのホステス、一般家庭の家族、CFを信仰する人々、罪人たち、CF役員、元外交官、加害者にも被害者にも成り兼ねない人々はCFという存在を無視して生きることは出来ない。

チルネック疑獄だよ、お化け煙突、CFって怪しくない?、独特の薄い匂い、眠っている間に決めた?、危険な匂いのする男だ、じゃあCFに行く?、CFカフェ、出来ます!、何を言ってる、こひつじ園、これは象徴的な破壊や、あなたの責任は完全に処理されます、ジェノサイド、何が無血テロだ、決行は今夜、話があるの、透き通った涙、奥様の完熟太もも、キュウチャク、不気味な渦の片鱗、人はいつ加害者になるかも知れません、ストーリーを絶やすな、ミッション完了です、何もない巨大な穴。

その男はCFを悪の象徴と妄信して仲間と共に爆弾を作り爆破テロの実行作戦を練っていた。
彼はテロに必要な人材を探していて、ある人物に目を付ける。
万人に開かれた夢のようなサービスを提供する謎の企業CF。
その存在は正義か悪か、そのどちらでもないのか・・・。


<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

///高梨恵という女///
おそらく場末のクラブであろうアカシアにて、ホステスとして働く二十八歳の高梨恵。
仕事を終えた彼女は、ミニスカートと真っ赤なパンプスを履いた出で立ちで夜遅くに歩いて帰ろうとも、危険な目に会ったことは一度も無いようで。余程悲壮感の漂う顔と体を持ち合わせているらしい。
「叱られて廊下に立たされている小学生のようだな」「貧乏が服を着て歩いている」「間違いなく不幸を呼ぶご面相」など、えらい言われようの高梨恵は251Pでも見当違いな返答をして好きな者に馬鹿にされる残念なキャラクター。
そんな彼女の一番印象に残った場面がコチラ。
288Pより。
―――「私は由紀夫にとって何なの!イチゴやブドウじゃないのか!?」
しかし彼は彼女に背を向けたまま手を振って「任せとかんかい!」と叫びながら、公園の植え込みの陰に姿を消した。高梨恵は地面にしゃがみ込んだまま泣き続けた。―――
この後に走り抜いていったジョギングじじいの言った一言。
〇〇〇て(笑)
しょーもないことを叫んで走り去っていくんじゃねえわ!普通に笑っちまうだろう(;´∀`)
高梨恵は根は良い人間なんだろうけど、運命的にいろんなことが平均以下になっちゃうのよね。
でもそんなところに愛着のようなものも湧いてくるから不思議。

///真実はいつも金///
過去におかした罪の責任を消滅させる為にCFの作業員となった二十六歳の北岡雄二。
全てが謎に包まれた攪拌作業に戸惑いながら、この仕事に何の意味があるのか考える。
228Pより。
―――この嘘っぱちの仕事を本当のことにしてしまうものがあるとすれば、それは金以外にない。もしこれが嘘の仕事に過ぎないとすれば、ただ棒で溶液を攪拌するだけの作業にどうしてこんなに金が支払われることがあろう。―――
無い物を有ると信じ込ませる力が金にあるのは納得。
どんなに馬鹿げたことでも、そこに大金の動きがあるならば信憑性が増してしまうもんね。
現実社会でも間違いなく無駄・無意味・逆効果な社内規則や会議や行事が存在しているのに、金を稼ぐ為にみんな黙って従ってしまう。
それが資本主義社会なんだろうけど、何か芯となるモノが存在していないのよねぇ。
え、じゃあ「宗教」についてはどう考えてるんだって?
・・・・・その辺のことは、『CF』を読んでみたらいいんじゃないかな(;^ω^)

///あなた最近、何か忘れていませんか///
テロ事件が起こり遺族となった野崎浩子の様子を見に来た平野明。お互いに共通した苦痛と喪失を経験したはずなのに、意味のない口喧嘩をして早々に平野明は帰っていった。
一人になった野崎浩子は軽薄な明と自分、そして変わりつつある社会全体にいて考える。
276Pより。
―――世界全体から、何か途轍もなく大切なものが刻々と蒸発しつつある気がする。至る所に鬆が入り、世界は重篤な骨粗鬆症となっていずれ瓦解するだろう。
そして彼女自身もまた、その原因の一端を荷う、世界を蝕むシロアリの一匹であるに違いない。そんな気がした。―――
これは読んでいてバシッときたね、すんごく共感したわ。
ちらほらと言われている「人類の終焉は何も起こらず自然と数が減っていく説」を思い出して、その原因の一つが「現代社会の鬆」なんじゃないの?って勝手に妄想してしまった。
ネットやメディアから流れてくる恣意的な情報の波に煽られて前向きになれない現代社会。その中を生きていく為に人々は無関心力を強化する方向へ進化しているとか?
その進化の行き着く先は、人類の緩やかな絶滅・・・・・まさかね(;´・ω・)


<< 気になった・謎だった・合わなかった部分 >>

///覚えて損はないタバコ芸?///
高梨恵が勤めているクラブにやって来た野崎道太郎。テーブルに二人でいる時、野崎のタバコが切れたので高梨恵が新しい物を買って持ってくると、野崎は紙人形を作っており「どちらが処女かわかるか?」と聞いてきた。
167Pより。
―――テーブルの上には人型に切り取られた二体の紙人形が四つん這いの姿勢で置かれていた。一つは銀色、一つは白で、それは煙草の箱の銀紙の裏表だった。―――
へぇ~初めて知ったわこんなしょうもない遊び(笑)
ネット検索してみると本当にやっていたようで、白紙と銀紙の膨張率の違いを利用しているのね。
いつかクラブやスナックとか行った時に軽いアプローチとして使えるかもだから習得すべきか。
でも加工するためにハサミが必要になるのかぁ、それに上手に切り抜く練習も必要やね。
そんでもって技術を習得していざ実戦でやってみると・・・・・おいおいおい、このオッサンこんな古典芸を得意げに披露してきたよ・・・・・ってドン引きされると( ˘ω˘ )
つーか水商売の店に飲みに行くような機会がないし、先立つものもない。

///CF業務の安全性は?///
テロに巻き込まれて気を失った渡辺宏は、やがて医療関係者らしき二人の男性の話声を聞いた。
CFを止めてから体調が著しく悪くなり、そこに加えてテロのダメージを受けてしまったので彼の状態はほぼ瀕死だったが、遠くから聞こえてくる会話の内容が気になり渡辺は意識を向けた。
282Pより。
―――「この患者、たっぷりキュウチャクしてますね」
「解毒剤も、大した効果はなかったか」二人の男が話しているらしい。医者だろうか。
「これだけキュウチャクしてしまうと、まず解毒は不可能ですよ」―――
なんなんよキュウチャクって、それに解毒剤って何の話をしてるのよ?
やはりあのピンク溶液攪拌業務には恐ろしい有毒性の何かが・・・・・いや待て、はっきりと関連付けされた会話内容でもなかったし。
でも310P辺りの会話を読む限りでは・・・・・う~むむ、わからん煙に巻かれるわ。

///都市伝説的現象?///
平野家にやって来た野崎浩子と翔。用事を済ませてからケーキとコーヒーを味わってくつろいでいると、TVを眺めていた翔が突然声を上げた。
画面にはいつも流れているCFの無言コマーシャルが映っている。
315Pより。
―――いつもは制止しているだけの画面の右下のCFのロゴマークがカクカクと震えていたのだ。こんなことは初めてだった。今日のSNSは、間違いなくこの話題で持ちきりだろう。―――
なぜにロゴマークが動いたん?この現象に関係する展開はこの後なにも描かれていなかったから、ほんとうにただ意味もなくカクカク動いたってだけなんだよね。
これも追加されたストーリーのひとつということ?わからん、何かが起きてもその意図が見えない。
何か意味深なことを見せてやれば、大衆は勝手に妄想を膨らませて納得して忘れるっつーことかな?


<< 読み終えてどうだった? >>

///全体の印象とか///
スマホもSNSのXも存在している現代の日本が舞台。
CF本社がある街(おそらく東京かなぁ?)を中心として、そこに住む様々な人々にスポットが当たりながら三人称視点で語れていく作り。高梨恵が一番よく登場していた気がするかな。
近年日本で起こった事件や騒動、世界での問題などが練り込まれているので親近感が湧きやすい世界観になっている。

吉村萬一作品を久しぶりに読んでみたけど、初期の頃に感じた「うげぇ」っていうエグイ描写とかが全然なかったなぁ。大衆向けになって客層の間口が広がったなと思う一方、個人的にはちょっと物足りない感が残るね。『バースト・ゾーン』とか『クチュクチュバーン』とか『臣女』とかに詰め込まれた、溢れんばかりのパッションをもう一度感じてみたかった。
本編でも語られていた謎作業のように、『CF』では「うげぇ」感がまんべんなく攪拌されて薄められちゃったのかもね(^^;)

///話のオチはどうだった?///
分かりやすい一本の物語があるわけじゃなく、CF本社がある街で起こるいくつかの騒動が描かれている内容だから、どんでん返しとかカタルシスとかは求めない方がよいかと。
でも読みはじめた読者全員が気になるであろうCFの中身というか本質については、最後の最後に語られているからご安心を。CFて、これもう現実に存在してるんじゃないの?っておじさんは思っちゃった。

あとこの小説の〆に綴られている言葉が個人的に気に入ったよ。全然笑えないしむしろゾッとするような事実なんだけど、まぁ~そうなんだよねぇ~ってニヤリとしちゃう。おじさんもいつの間にか体のあちこちに鬆が入っているわ。

///まとめとして///
現実世界ではどんどん閉塞感が強くなっていくし、テクノロジーが進歩したってちっとも人生は楽にならない。何かの責任問題が出ても次から次へと新しいニュースが流れてきて関心は薄まっていくし、一般国民は生きてるだけで精一杯な毎日。なんでこんなことになっているんだろうね?見えざる権力者がそう仕向けているのか、はたまたこれが人間社会の完成系なのか。
日々感じる漠然とした倦怠感やら不安感やらを物語として分かりやすく伝えてくれた、気がする(;^ω^)
たまにはテイストの違う物語を読まないとね。そういう意味では『CF』を読んで正解だった。

では締めとしませう。
おじさんたちが生きているこの世界の本質って、真っ暗で底の見えない巨大な穴から吐き出されるいくつもの儚い夢なんじゃないのか?
なんて柄にもなくポエムっぽいものを書きたくなっちゃう満読感、頂きました。
なんだかエリック・サティ作曲「グノシエンヌ 第1番」が脳内に流れてくるわぁ~。
(ついでにかもめんたるのう大も浮かんでくる)
さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。
25年1月26日の日曜日、冬らしい寒さだけど陽射しは暖かい快晴な天気の日に読了。


<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

15Pより。
―――「俺もCFに転職するかな」バーコード頭が言った。
「いいですね!私も付いていきますよ!」と天狗鼻。
「何ですか、散々CFを腐しておいて」ママが半畳をいれた。―――
「はんじょうをいれる」とは、昔の芝居小屋で役者の芸に不満があると客は敷いているござを舞台に向かって投げたことから、人の言動を非難したりヤジをとばすこと。
茣蓙のサイズが半畳だったからこう言われるようになったのかね?
令和ではまったく聞かない表現が逆に新鮮。

61Pより。
―――松前清和は、工場の隅に重ねてあったドンゴロスを一枚右手に引っ掴み、左手にもったビニール袋をクルクル回しながらA4f地区内を歩いた。―――
「ドンゴロス」とは、麻袋のこと。または麻袋を作る目の粗い厚手の布、梱包こんぽう・天幕などにも用いられるらしい。ドンゴロスなんて初めて聞いたのになんだか懐かしい?
あぁ、お笑いコンビ「ドロンズ」のせいかも(笑)

67Pより。
―――「この社会の裏には隠されたカラクリがあるんや」
「知行合一」
「何としても奴らに一撃を喰らわしたらなあかん」
SNS上に溢れているようなそんな凡庸な台詞を、森嶋由紀夫は恰も自分独自の洞察であるかのように熱を込めて語った。―――
「ちこうごういつ」は、中国の明で王陽明がおこした学問である陽明学の命題のひとつ。「知ること」と「行うこと」は同じ心の良知(人間に先天的に備わっている善悪是非の判断能力)から発する作用であり、分離不可能であるとする考え。
論語の為政第二にある「先ず其の言を行い、而して後にこれに従う」が元になっている、とのこと。
正しいと理解はしても実行しなければ理解できていないも同然ってこと?

124Pより。
―――こういった人々はこの世に恒河沙の如く、即ちガンジス川の砂のように数え切れないほど存在する。―――
「ごうがしゃ」とは漢字文化圏における数の単位の一つで、恒河沙がいくつを示すかは時代や地域により異なるらしい。現在、一般的には10の52乗を指す・・・・・って、それほぼ無限じゃんか('Д')

170Pより。
―――野崎道太郎にとって、嫉妬は最も深刻な宿痾であった。―――
「しゅくあ」とは、長くなおらない病気。持病。

178Pより。
―――車が好きなのだ。そして、彼が欲しがっている車種の調べも付いていた。
「セリグマンS500は、いかがでしょうか?」―――
ネットで軽く調べてみたところ、セリグマンS500とう自動車は見つからなかった。じゃあこの名前は何なのかというと、セリグマンは多くのアメリカ人がかつて夢を持って憧れのカリフォルニア目指し東部から移動したアメリカのマザーロード『ルート66』の途中にある小さな田舎町。ルート66はアメリカのメインロードとして1920年代半ばに当時の主要都市シカゴから初めての大陸横断道路としてアメリカの東西を結んでいたようで。
ちなみにS500で調べるとメルセデスベンツがドンッと出てくるわ。

203Pより。
―――天気は曇りで、今日も特にこれと言って面白いこともないまま日が暮れて、晩御飯を食べ、風呂に入り、寝るだけの一日だと思いながら、CFに関するSNSの書き込みに目を通し、推しメンのアイドルの動画を見た。―――
推しメンとは「推しているメンバー」の略語で、アイドルグループのファン同士で頻繁に使用されるワード。 AKB48の人気が高まった約10年前から広まった言葉てことらしい。 
最初読んだ時、「推しのメンズアイドル」って意味かと思ってちょっとびっくりしちゃった(笑)

213Pより。
―――それからマツマエキヨカズは微に入り細を穿って、一頻り犬殺しの話をした。―――
「びにはいりさいをうがつ」とは、きわめて細かな点にまで気を配る。という意味らしい。
街中で野良犬は本当にさっぱり見なくなったよね、野犬は今でも山の中とかにいるのだろうか?
野良を排除したのは人間のエゴですわ、でもこの安全な社会にどっぷり適応してしまっているのです(>_<)

275Pより。
―――まるで鬆の入った大根のような中身のなさが、二人を取り囲む世界の隅々にまで広がっているようで、浩子は何もかもどうでもいいような気がした。―――
「すが入る」とは主に茶碗蒸しやプリンを蒸したり、湯豆腐を温めるときに起こりやすく、加熱のし過ぎが原因でスポンジのように細かい穴が空いてしまうことを指すらしい。
大根にも鬆が入ったりするのかね?う~むむ、想像するに食感がよろしくなさそうだなぁ。


<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
304Pより。
―――彼女は階段を下りて改札を出ると、真っ直ぐにCFの幟を目指した。
彼女に気づいた平野京香が笑顔で頷き、豊崎和子が両手を差し出してきた時、高梨恵はこの先自分はCFのシステムを信じ、これを支える人間の一人になることを自分に課そうと決意した。―――


255Pの包丁握り締めて夜の街を駆けていく京香の場面は、読んでいてスカッとしたから描いてみたかったけどね。
それにしても罪を犯した人間にキッチリ罰を与えること、これが正しい人間社会ってやつでしょうに。
反省やら謝罪やら更生ってのはそのあとに続くことじゃないの。
だから京香がキツ~イ罰を与えた部分は読んでいて拍手喝采な気分だったよ。
でもああなってしまったらもう反省も謝罪も更生も出来ないか(笑)

 

機龍警察 未亡旅団 読書感想

タイトル 「機龍警察 未亡旅団」(文庫版)
著者 月村了衛
文庫 608ページ
出版社 早川書房 
発売日 2023年6月6日

 

 

<<この作者の作品で既に読んだもの>>

 

・「機龍警察 〔完全版〕」
・「機龍警察 自爆条項 上」
・「機龍警察 自爆条項 下」
・「土獏の花」
・「機龍警察 暗黒市場 上」
・「機龍警察 暗黒市場 下」
・「槐」

 

 

<< ここ最近の思うこと >>

 

カティアという名前を見て何かが記憶の奥底から浮かんでくる予感がした。あ・・・あぁ~、この名前は・・・・・・・・・・そうだ、君の名は(゚д゚)!
そう!皆さんご存じのマブラヴ「シュバルツェスマーケン」に登場するカティア・ヴァルトハイム ちゃんですね。
マブラヴ・オルタは男の子なら大好きであろうシチュなストーリーなのに、なぜかアニメ化するとどれも微妙なクオリティになっちゃうのが不思議。そこでおじさんは考えた。
コーエーの人気シリーズとタッグして、「マブラヴ・オルタ無双」を作ればええんやでぇ~!!
コレでしょ起死回生の一手は。
安易なスマホゲーなんて作ってる場合じゃないんよ、無双シリーズで資金集めも安泰じゃ~い(´▽`)
ま、妄言はこの辺にしておいて(笑)

 

2023年にまとめ買いした小説群も残すところあと一冊ですべて読み終えることが出来る。んで最後にとっておいたのが今回の小説なんだけど、もうみなさん知っての通りおじさんは一番好きなモノを最後にとっておくタチなんで、遂にコレを読めるのかと楽しみでしょうがないんよぉ。
現在2024年12月末、けっこう分厚いし文字数もみっちり詰まってそうだけど、果たして年内に読み終えることが出来るだろうか?
ではでは、情け容赦ない自爆テロ集団が紛れ込んだGW連休目前の日本に飛び込んで、機甲兵装によるリアルSFなテロとの戦いを刮目しちゃうんじゃ~い(=゚ω゚)ノ

 

 

<< かるーい話のながれ >>

 

チェチェン紛争により誕生した女性だけの過激派テロ集団「黒い未亡人」が国内へ潜入し、爆破テロを企てているとの情報を掴んだ日本政府と警察組織。
すでに「黒い未亡人」関連の自爆事件は起こっていて、GWの連休を間近に控えた警察は何としても早急にテロリストを逮捕しなくてはならなかった。
そんな中、特捜部捜査班主任の由起谷警部補は街で半グレに絡まれている少女を助けるのだが、意外な立ち振る舞いと好奇な視線を持った少女は名前も継げずに去って行ってしまった。
同じ頃、特捜部理事官の城木警視は政治家の家系である実家に戻り父親と兄の三人で食事会をしていたのだが、自爆テロ事件を探るような父と兄の会話に違和感を覚える。

 

紛争地帯の光景、兵士の戦闘術、エインセルのパワーパック、もっと殺してるんじゃないかな、目を覚まさせてやろう、甘やかしすぎたんだ、こんな国にはもういられない、探し求めていた手掛かり、新しい大義、自爆テロ、子供はもう殺したくない、魔女の含み笑い、偶然を信じるな、自分だけの痛み、警察官は皆最低の屑だ、大義に付いた一点の染み、赤い釘、ニセ警官、別の狙い、よく撮れているだろう、私はお前がうらやましい、立派に警察やってるじゃないか、馬鹿な娘、それだけじゃなかったんだ、世界中をチェチェンと同じにしてやるの、作戦開始、声なき絶叫、魔女の目、妄執、勝ったのはどちらなのだろう、それこそが傲慢だ、おまえのせいだ、そんなふうに思っちゃ駄目、手紙・・・。

 

「黒い未亡人」の潜伏場所を探し出し包囲するも甚大な被害を出して取り逃がしてしまった警察だが、公安部外事四課の捜査でテロ組織の一人を捕らえることに成功し、テロ活動の詳細を聞き出そうとする。
捕らえられ、取調室に入っている容疑者を見て城木は驚く。それは街で会ったあの少女だった。
情け容赦のない自爆テロを繰り出してくる「黒い未亡人」を相手に、警察と特捜部は全力で立ち向かうのだが、そこへ姿の見えない「敵」も魔の手を伸ばしてくる・・・。

 

 

<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

 

///暴力の世界で行われる外道の狂気///
「黒い未亡人」の取引現場で起こった自爆事件について捜査会議を行う特捜部。現場ではエインセルという機甲兵装の遺留品が見つかり、どのような特徴があるのか説明を受けていた。
44Pより。
―――その意味に、最初に気づいたのは技術班の鈴石緑主任であった。
「城木理事官」
鈴石主任が許可を待たずに立ち上がる。
「それは、つまり・・・・・女性や子供に操縦させることを前提に設計されたということですか」
城木は無言で頷いた。―――
小型化に特化するために操縦者を小柄な子供や女性に限定して、スペースを有効に使う為に後ろ向きで搭乗させるバックワーダー・タイプの機甲兵装エインセル。もう人間のことを兵器のパーツとして考えている悪魔のような設計思想に戦慄したわ。
なんて思っていると63Pではもっとトンデモナイ所業をやってサンダーボルトを連想してしまったり、67Pでも「ブラウン・ブラウン」なるモノを使って子供たちを戦場へ・・・・・。
現代の日本で平和な日常を送っているからこれらを異常に感じるけど、その土地で生まれ生きている人にとってはそれが日常なんだよなぁ。恐ろしいのは、自分もその国で生きていたら同じことをしているのかもって考えちゃうことよ。
絶対にこんな酷いことはしない!なんて浅はかなことは言えないんよな(´-ω-`)

 

///妻の呼び名は伊達じゃない///
「黒い未亡人」が潜伏しているであろう廃工場を包囲し、機甲兵装での突入を開始する警察。
迎撃の罠に翻弄される中、フィアボルグは廃工場の外で、バンシーは工場内で敵の幹部であろう強敵と対峙していた。
196Pより。
―――第二種機甲兵装『ヌアラ』。背中に剝き出しで背負った剣の柄を右マニプレーターで握り、ゆっくりと引き抜く。機甲兵装サイズとしてもあまりに巨大な長剣であった。―――
「剣の妻」と呼ばれるジナイーダ。その実力はバンシーに乗るライザでさえ苦戦を強いられるほど。
さらにバンシー必殺の攻撃を初見で対処してしまうとは、もしジナイーダが同じ龍機兵に乗っていたら果たしてライザに勝機はあるのだろうか(; ・`д・´)

199Pより。
―――熟練した姿のナイフを、敵のナイフは真っ向から受けて一歩も引かない。それどころか、刀身に独特の意匠が施された敵のナイフは、歴戦の姿も見たことのない妖しい動きでフィアボルグを圧倒した。―――
「風の妻」と呼ばれるファティマ。機甲兵装サイズのキンジャールを使って繰り出してくる攻撃は、フィアボルグに乗る姿と互角のナイフ格闘を繰り広げる。もしファティマが同じ龍機兵に乗っていたら、果たして姿に勝機はあるのだろうか(; ・`д・´)
ジナイーダもファティマも「黒い未亡人」の幹部だから、機甲兵装戦闘だけが強いわけじゃない。
長年戦場で戦い続けてきた古強者の兵士がどんな戦い方をぶつけてくるのか、気になる未読者は是非とも読んでみてよ。

 

///こーゆーのが中年の心に刺さるんよ///
公安部長の清水とその部下の曽我部が立て続けに起こる問題に対して、自分たちがどう振る舞っていくのか廊下で内密に話し合う場面にて。
とりあえずの方向性が決まった後、去りゆく上司に曽我部が軽く問いかける。
326Pより。
―――「頼みますよ、後でこっちだけ切り捨てなんてことは」
「それはないから安心しろ。おまえを切り捨てるなんて、そんな恐ろしいことができるもんか。どんな切り札を隠し持ってるか知れたもんじゃない。
「ありませんよ、そんないい物」
「じゃあ頼んだぞ」
回れ右で小会議室に戻ろうとした上司に、曽我部が後ろから声をかける。―――
ココね、もうパトレイバーの一場面としてナチュラルに脳内再現されてしまうわ。
重要な問いかけをさらりと繰り出してくる曽我部のキャラも良いし、その問いに対しての清水の対応も哀愁というか渋みというか、上手く言えないけどなんかカッコイイのよ。

 

続いてコチラ。
外事四課の伊庭と部下たちは、渦中の議員を確保して聴取すべく永田町の与党本部前駐車場の車内にて待機をしていた。今後のことを話し合ううちに部下の一人が特捜部の由起谷について苦言を言うが、伊庭はその意見をきっぱりと否定した。
404Pより。
―――心なしか、伊庭は蒼ざめているようだった。部下たちは思わず顔を見合わせる。伊庭がそんな顔を見せるなど、滅多にないことだった。
「俺はな、千葉の生まれなんだ。海辺の小さな町でさ、昔で言やあ漁師町だ。おまえらに言ったことあったっけ」―――
最初は冷血漢なキャラだと思っていた伊庭という男。でも特捜部と関わっていくことで本音の部分がチラチラと見えてくるようになり、↑の場面では思わず聞かれてもいない自身の過去を語りだしちゃって。
まぁなんと、お可愛いこと・・・・・じゃないけどさ、心を揺り動かされる中年の描写ってグッとくるのよね。それにこの伊庭という刑事、416Pでは鋭い感を働かせて「出来る男」の見せ場もあったり。
特捜部以外のキャラたちがシビアで冷たい警察組織の中でふと見せる人間臭さに痺れてしまうわ。
外事四課には今後とも末永く付き合っていってもらいたいけど、もし「敵」だったとしたら(; ・`д・´)
その辺も含めてシリーズ継読決定よ!

 

 

<< 気になった・謎だった・合わなかった部分 >>

 

///そこに記された意味を知ること///
物語の最初に書かれているプーシキンによる『カフカース』の一節。
この文章がプーシキンの「カフカスの捕虜」から抜き出されたものなのかどうかわからない、そしてどうして一番最初に記されることになったのかもわからない。
チェチェン紛争がテーマになっているからか?う~んわからない。
ネットで軽く調べてみてもちんぷんかんぷんよ(;´Д`)
こーゆー引用の理由が理解できるようになると、今より何倍も読書を楽しめるのになぁ。
おなじような部分をもうひとつ。
日本での資金集めを行いながら、カティアはかつての故郷であるグロズヌイでの日常を思い返す。軍人による誘拐と拉致と金品要求が当たり前に行われる日常。力なき者はただ受け入れることしかできない。
100Pより。
―――後で武装勢力の標的にされることのないよう、軍人達には偽名を使う権利が正式に与えられている。まるで現代の、そして現実のカフカだ。
何もかもが、チェチェンではごくありふれた出来事だった。この圧倒的な不条理の前では、人はテロか犯罪に走るよりない。―――
「現代の、そして現実のカフカだ。」とはどういう意味だったのか?
カフカって言ったら「変身」の著者であるフランツ・カフカだよね、ひっさしぶりに「変身」のあらすじなどを調べてみると・・・・・。
はは~ん、どうやら「現代の、そして現実のカフカだ。」って言葉の意味は不条理な現実ってことを表現したんじゃないかと思う。
「変身」が不条理文学の代表作として扱われているみたいだから。
月村先生、これで合っていますでしょうか(;´∀`)

 

///絶妙なタイミングは狙ってなの?///
テロ目標を掴んだ警察は大胆な作戦に打って出ることを選んだ。沖津部長のスタンドプレーともとれる決定に、外事四課の曽我部は本来の目的と現在の心境を告げた。そこへ龍機兵搭乗員の姿がやって来る。
367Pより。
―――「どうする何も、総監がいいって言ってるんじゃ、しょうがありませんやね。ウチの伊庭なんて、なんだかんだ言いながらもうすっかりその気ですよ。そもそも敵を寝返らせるってのは本来ならウチの手法みたいなもんですから」
そこへ突然声をかけてくる者があった。
「曽我部さん」
姿警部であった。不敵な態度を崩さぬこの男が、いつになく途方に暮れたような表情を浮かべている。―――
後に記されている姿の行動はどういう意図でおこなったものなんだろうか?
外事四課が特捜部と協力してやっていこうって方針になったタイミングを見計らって、共闘しようって意味を込めてアレを渡したのかな?
もしくは本当にただ単純に間違えて処理に困っていただけなのか(^^;)
まぁ、どちらにしても好きな場面である事は間違いなしよ。

 

///そこしかなかったのか?///
機甲兵装での戦闘を終え数時間ぶりに外に出た姿。しかし制圧目標の屋内で爆発が起こり、生き残りのテロリストが手榴弾で警官らを殺戮しているのに気付くと、足のホルスターからH&K P30を抜き突入していった。
516Pより。
―――銃器を所持して龍機兵に乗り込むことは通常ではほとんどない。パッドの膨張時に痛いほど脚に押しつけられるのを承知で銃を持ちこんだのはこのためだ。―――
小型のハンドガンとはいえ、そんなんを付けたまま脚をパッドに入れてフィアボルグを操るなんてよくやるよなぁ。せめてコクピット?内のどこかに設置しておくことは出来なかったのかね?龍機兵は操縦者の身体全体がフィットする設計だから余計なモノを置いておくスペースなど無いってことなのかも知れんけど。ホルスターとハンドガン付けた状態でも操縦できるってことにも驚いたけどね。

 

 

<< 読み終えてどうだった? >>

 

///全体の印象とか///
これまで通り、今回も様々な人物にスポットが移り変わりながらの三人称視点で語られていく作り。
『機龍警察 未亡旅団』では特にたくさんの登場人物がいたから名前やら関係やらを覚えるのがめちゃ大変だよ。もちろんおじさんが覚えられるわけもなく、何度もページを戻してはの繰り返し・・・・・なんてことにはなりません。最初に主な登場人物と役職・役柄がずらっと書かれているので安心してね。
この巻では由希谷と城木が一番スポット当たるのが多かったかも。あーでもカティアもメインと言えるくらいスポットされていたね。何気に彼女が一番多かったかな?

 

『機龍警察 未亡旅団』は600ページ越えの大ボリュームだけど、機甲兵装による戦闘は確か二回のみだったはず。なので内容のほとんどは人間がメインのお話なのでご注意を。
でも一切飽きることなく、むしろ感情を揺さぶられる場面と展開の連続で息つく暇もないくらいのエンタメだった。どれだけおじさんが語ったとしても、三分の一の純粋な面白さでさえ伝わらないだろうから、読書人なら読んでみることを強くお勧め致します(`・ω・´)

 

///話のオチはどうだった?///
事件についてはとりあえず収束したけど、虐げられた女性達が団結して作り上げた「黒い未亡人」の顛末を考えると、こんなんバッドエンドとしか思えないでしょ。皆で力を合わせて組織力を持ったとしても、さらに大きな組織に疎まれて使い捨てにされるだけなんて、不条理すぎるだろこの世界。
まぁ、本来なら「黒い未亡人」は犠牲を出しながらもメンバーは帰還して存続しつづける予定だったんだろうけどさ。
はい、切り替えしよう。
おじさんが一番気になっていたのはカティアと由希谷の関係だけど、まぁ~なるほどそう来たのかぁ。
ちょっとあっさりな気もするけど、これが一番現実的な締め方だよねぇ。でも平仮名だけのつたない言葉の中に彼女の強い想いを感じたから、数年後とかどうなるんだろうなぁ~って妄想しております(*´ω`*)

 

あとココよ、姿警部の珈琲コーナー。
まさか珈琲愛好家の姿がMAX COFFEEも気に入っていたなんて驚きだわ。あれってめっちゃ甘いんでしょ?飲んだことないからわからんけど、ここで登場したなら試さずにはおれんだろうに。
あと588Pで語っていた缶のデザインについては激しく同意したわ。おじさんもポッカサッポロのアイスコーヒー缶が大好きだったけど、2024年の夏にデザインも缶の容量も変わっちゃってそれから一本も買わなくなっちゃったもん。
ポッカサッポロさぁ~ん、以前のコテコテしたデザインに戻してくれよぉ~(´;ω;`)

 

///まとめとして///
ニュースとか新聞を通していま世界でなにが起こっているのか知ることは出来ても、そこで何が行われているのかってのはマイルドフィルターがかけられちゃうから、まったくと言っていいほどわからない。
『機龍警察 未亡旅団』を読んだから分かった気になるってのも笑っちゃう話だけど、少なくとも紛争地域では今この瞬間でも聞くに堪えない非道外道が無抵抗の人々に対して行われている。ってのは想像するようになった。
メディアから流れてくる様々な数字だけ知って終わるんじゃく、現地に満ちている悲しみと暴力を想像しないと意味がないよね。陳腐な言葉だけど、リアルに作り込まれている作品からこそ、こーゆー柄にもない事こと考えちゃうのかも。

 

さてさて締めとしませう。
上にも書いたように『機龍警察』のメインは人間中心の警察モノだから、漫画や映像化はかなり難しいと思う。小説という媒体だから面白いと感じられる作品って、やっぱりあるんだよね。
どうしてもメディア化するというなら、サイドストーリーとしてアクション連発な内容に変更しないと話題にならないんじゃないかなぁ。
(そういやマンガはまだやってるのかな?・・・・・・・うぅむ、四巻が最終巻になったのかぁ)
平和な日本でぬくぬくと暮らしているクリエーターでもないド素人がなに上から語っているんだよ、傲慢にも程があるぞ気を付けろ!そんなこと妄想しちゃう満読感、頂きました。
さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。
24年1月9日木曜日の冬真っ盛りな寒気一杯の天気な日に読了。
(たはは、やっぱり年内に読み終わるのは無理だったわ)

 

 

<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

 

59Pより。
―――沖津は火の点いていないモンテクリストのミニシガリロを手の内で弄びながら、ゆっくりと言った。―――
モンテクリストは、キューバ共和国で生産されている葉巻の銘柄の1つで、100%キューバ産高級ハバナ葉使用で本格的味わいが楽しめる、甘味と雑味の少ないマイルドなテイストってことらしい。
10本入りで1500円超えのお値段!?

 

82Pより。
―――「特捜は今、例の事案で大変だろう」
手長海老のカネロニを口に運びながら、さりげなく亮太郎が言った。―――
カネロニはイタリア語で「大きな葦」を意味する円筒形のパスタの一種。イタリア語での発音はカンネッローニに近く、カネロニという名称は日本独特の呼び方である、とのこと。
画像検索でカネロニを調べてみると、なんじゃこりゃ美味そうじゃないか。ワインと共に味わってみたくなるわ。そういやラザニアも最近食べてないなぁ~( ˘ω˘ )

 

200Pより。
―――上段から振り下ろされた長剣が、一転、下段から薙ぎ上げられた。端倪すべからざる高度な技だ。―――
「たんげいすべからず」とは、物事の始めと終わりをいう言葉で、物事の成り行きを見通すことができないことをいう。
この剣術はまさしく佐々木小次郎の「燕返し」じゃないんかい?第二世代の機甲兵装でそんな技を繰り出してくるとは、さすが剣の妻と呼ばれるわけだ。しかしその技を初見で躱すライザも相当な強者・・・。

 

203Pより。
―――灰色の被衣をまとったようなルーダックの背中に向けて照準を合わせる。―――
「きぬかずき」とは、平安時代ごろから上流の婦人が外出するとき、顔を隠すために被っていた布のこと。近世の被衣「かずき」の原型と言える、とのこと。

 

288Pより。
―――力を合わせて焼いたハチャプリは、真っ黒に焦げてとても食べられたものではなかったけれど、それでも忘れ難い思い出だ。―――
ハチャプリとは、南コーカサスにあるジョージアに伝わるジョージア料理のチーズ入りパンのこと。
なんと、フジパンからハチャプリのパンが出ているだと?
さらにそのハチャプリがジョージアのティムラズ・レジャバ駐日臨時代理大使の目に留まって拡散された!?こりゃ買わなきゃいかんでしょうに(゚д゚)!

 

525Pより。
―――北アイルランドで盛んなカモギ―のラフプレイ。その古典的テクニックの一つだ。十代前半の頃、気に食わない選手を散々この手で痛めつけた。―――
ハーリングとはケルト族に起源をもち、スティックとボールを使用して行う屋外スポーツである。アイルランドを中心に行われ、ゲーリック・ゲームズの1つであるとのこと。
女性選手が行うハーリング相当の競技はカモギーと呼ばれているそうで。
ラクロスとかクリケットとはまた違うのかねぇ?

 

556Pより。
―――しかしそうした疑問の数々もやはりヘタな二枚目俳優以上のルックスを持つ議員の自己犠牲という圧倒的なバリューの前に等閑視され、すぐに忘れ去られた。―――
「とうかんし」とは、無視して放っておくこと。または、おろそかに思うこと。

 

 

<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

 

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
541Pより。
―――バーゲストはビル外壁にぶら下がる格好になっている。眼下には万代島美術館の屋根。落下すればもちろん大破は免れない。
新潟上空で、カフカスの魔女の哄笑が確かに聞こえた。―――

ビビッときた場面は他にも沢山あったのよ、144Pの「黒い未亡人」結成のところとか、296Pの白鬼に動揺してしまうカティアとか。でも時間も実力も限りがあるからひとつに絞るしかない。
でもって描いてみたんだけど、三機目になる龍機兵バーゲストはなんと背面だけになった(笑)
あと第二種機甲兵装ヌアラの姿形や特徴も一切分からないからすべて想像で描いてみたけど、以前に描いた第二種のバーバヤーガとはかけ離れたデザインになっちゃったなぁ(;´∀`)
つーかユーリ・オズノフの髪型もまったく分からんし、え~いもう悩んでもしょうがない。
おじさんの脳内『機龍警察』はこれでいいんじゃ~い(゚Д゚)ノ

 

いつか、虹の向こうへ  読書感想

タイトル 「いつか、虹の向こうへ 」(文庫版)
著者 伊岡瞬
文庫 368ページ
出版社 KADOKAWA
発売日 2008年5月24日

 

 

<<この作者の作品で既に読んだもの>>

 

・「本性」

 

 

<< ここ最近の思うこと >>

 

前回読んだ『殺人依存症』に与えられた精神的ショックが後を引いているおじさん。
読む前からから灰色っぽかった世間や社会、そしてこの先の人生についてのビジョンが、読み終えた今はさらに薄暗いフィルターに覆われてしまった気がする今日この頃( ˘•ω•˘ )
こりゃイカンぞ!すぐにでもメンタルケアの為に暖かくて優しい物語を読まねばってことで、地元の本屋でひっさしぶりに吟味して購入したのが今回の小説。

 

同作者の作品で前に読んだ『本性』もなかなかイヤミスと言えるようなお話だったけど、今回のはあらすじを読む限りほんわか温かそうな物語っぽいし、なにより有名な賞を受賞しているじゃん。
これだ。おじさんの沈んだ感性を癒すには、これしかなぁぁぁい!!
ではでは、元刑事の家で共同生活を送る男女四人とさらに加わる一人のイイ女!?じゃあついでにおじさんもオネガイシャスってことで、飛び込み入居待ったなしじゃ~い(=゚ω゚)ノ

 

 

<< かるーい話のながれ >>

 

過去の事件がきっかけで警察を辞職した46歳の尾木遼平は、売りに出している一軒家で赤の他人である石渡久典、村下恭子、柳原潤らと共同生活を送っていた。
ある日、警備の仕事を終えていつもより飲み過ぎた尾木はすれ違った若い女に声を掛けられ、ひょんなことからチンピラたちと喧嘩になり盛大にぶちまけた後、意識が途切れてしまう。
翌日、尾木は目を覚ますと自宅で寝ており昨夜の女も一緒に泊まっていったようで、その日から共同生活者が一人増えた家は、今までと違い笑い声がよく聞こえるようになった。

 

運命の女神、昨日何があったか教えてくれないか、今から五年前のことだ、大間抜け野郎、てめえに落とし前をつけてもらう、売れそうですよ、貧乏事務所、九峰会、警察より先に見つけろ、やめておけ、有野川事件、一か八かのヤケクソだ、昇格は見送りだな、この目の色だ、元気になったら教えてやる、償いはさせる、ちゃんと相手が決まってるの、何処にも行かないでください、もう一回最初から話してみろ、飲む前にやるべきことがあった、純粋な狂気の存在、最後の情けだ、ちょっとくたびれたヒーロー登場。

 

新規加入した女は高瀬早希と名乗り、自称二十一歳で現在は家出中の身ということだった。
早希を泊め始めてから数日後、尾木は突然現れた屈強な男に暴行されて「早希を出せ」と要求される。同じ頃、外出中だった早希は近場で起こった殺人事件の容疑者として警察に連行されてしまう。
こうして、人生を諦め酒浸りな尾木遼平の日常は一変し、警察には事情聴取で連行されて、さらにヤクザ組織には無理難題を押しつけられて、人生最大ともいえる苦難の日々が始まってしまった・・・。

 

 

<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

 

///からかい上手な早希さん///
チンピラとの騒動を起こした翌日、気が付くと自宅で寝ていた尾木はどうやって帰ってきたのかもわからず、なぜか自宅にいる昨夜の女に事の顛末を訪ねた。女は高瀬早希と名乗る自称二十一歳で、酔いつぶれた尾木を運ぶのに苦労したと語った。
21Pより。
―――「耳元で『しなくていいの?』って聞いたら、『明日にしてくれ』とかなんとか言ってた。ホント変な酔っ払い」
女は自分だけ笑い転げた。―――
高瀬早希、この女は男を転がす才能を持っている(`・ω・´)
24Pのところでもあんなこと言われたらもうね、おじさんだったら絶対にお願いするし!
序盤の短い登場だけで尾木ファミリーの心を掴み、読者の心まで鷲掴みしてしまうイイ女キャラの早希がグッド!これからハートフルでちょっぴりラブ期待&ちょっぴりスリリングな物語が始まるんだなぁ~って浮かれていたのよ(*´ω`*)
でもそんな期待は強烈な腹パンチで打ち砕かれて・・・。

 

///これはイヤミス系な絵本///
ひと月ほど前に石渡と飲むことになった尾木。二人でいつもの「志むら」に行き飲んでいると、石渡がどうして翻訳の仕事に就くことになったのかを語りだした。きっかけとなったのは彼が自作した『虹売り』の絵本だとしり、尾木は古酒一杯の義理で読んでみることにした。
230Pより。
―――虹の話だというので、能天気に明るいハッピーエンドだと決めつけていたが、思い違いしていたようだ。彼が自分で描いたという絵も、どこか暗い感じだった。意外なことに、読みはじめると次第に引き込まれていった。―――
結末をハッキリさせない系の物語は好きじゃないんだけど、この話は痛いくらいバシッと叩かれたような衝撃を受けたね。探せば似たようなのがありそうだけども、当たり前に絵本を読まないおじさんには新鮮なお話だったのよ。
一体どれほどの悲しみを胸に貯めてきたのか、どんな生活を送っていたのか、想像もつかないわ。
そんなしんみりさせてしまう場面だけど、絵本を読む前に次回から報酬を古酒二杯にしてやろうって考えているダメダメな尾木のキャラが良いギャップになっていて、しんみり具合を和らげてくれるからグッジョブです(笑)

 

///悲しみを噛みしめよう///
柳原潤の見舞いにやってきた尾木は、潤が重症ではなかったことに安堵し同時に尾木自身の愚かさに後悔していた。目を覚ました潤になぜ自分のことをジュンペイと呼ぶのか?と尋ねられた尾木は、適当にごまかしたが病院という空間が過去の記憶を浮かび上がらせてきた。
268Pより。
―――ときおりすれ違う看護師に軽く頭を下げながら、廊下を歩く。入院病棟特有の匂い、音、目につく器具。ジュンペイという呼び名の由来を聞かれたこともあって、かつて幾度か通った小児病棟の情景を思い出した。―――
とにかく悲しみや後悔のエピソードがいくつもあるこの小説。その中でもジュンペイの話が強く印象に残っている。奥さんがどれだけ辛い思いを一人で抱えてあんな行動をしたのか考えると、尾木を責めたくもなっちゃうけどさ、彼の気持ちも分からんでもないのよ(>_<)
一体どうすればよかったのか、いやどうすることもできなかったのかなぁ。
その他にも村下恭子や花房先生の過去エピソードもめっちゃ辛い、悲しみのオーバーキル状態よ。
ダウナー系の小説がお好きな未読者は是非とも『いつか、虹の向こうへ』を読むことオススメするよ。
もちろんそうじゃない未読者でも大丈夫、良いお話ってことは間違いないから。

 

 

<< 気になった・謎だった・合わなかった部分 >>

 

///何のリアクションも無し?///
突然の訪問者に酷く痛めつけられた尾木。体力と気力も尽きて自宅で倒れていると住人らが帰って来て、酷い状態の顔を見てどうしたのかと尋ねる。その時、チャイムが鳴りドアを開けると担当の不動産営業マンが立っていた。
75Pより。
―――「あ、尾木さん。すみません、こんな時間に」
拍子抜けするほど明るい声を出したのは、不動産会社の営業マンだ。
「ちょっと連絡しておきたいことがありまして」
「まあ、どうぞ」
ドアチェーンをはずし、玄関に招き入れた。何度か顔を合わせたことがある。たしか赤坂とかいう名だ。―――
この部分でちとおや?って思った。
他の住人らは暴行を受けた尾木の酷い顔に反応しているのに、赤坂はその顔に無反応なの?って。
若い営業マンだから破格の条件で物件が売れたことに興奮していて気付かなかったとかぁ・・・。
う~んその理由はちと苦しいわなぁ(^^;)
まぁ別に小さな疑問だし、その後の本編に一切関係ないことだからほっといていいことだけど。
「ま、そんなことはどうでもいい」ってやつですわ。

 

///ノーガード戦法過ぎやしないか?///
進捗のない現状を打破すべく賭けに出た尾木は、「志むら」での密会が終わった後ひとりで酒を飲み、自宅へ帰路を歩いていた。すると前方から見覚えのある者達がやってくるのを見つけて、尾木は素早く逃げ道を探すのだが運悪く見つからない。
212Pより。
―――どこかで見たような人相風体の男が三人、私に近づいてくる。以前何かで読んだ、外国の諺を思い出した。
『降る時はいつも土砂降り』
この一週間ほど、毎日バケツでぶちまけたようなトラブルの土砂降り続きだ。―――
まずは久保にボコボコにされて、そのあと木村に腹をドカボコ殴られて、危ない匂いプンプンの調査を強要されて、いい加減なんらかの防御力を高める措置をとりなさいよ尾木さんって思った。
暴力が当然の日常になっちゃったんだし、護身用具とかは・・・・・買う金が無いか。でも包丁を常に持ち歩く訳にも行かないし、せめて雑誌か新聞紙でも服の中に入れておくとか?
まぁ悲しみ満載の独身セルフネグレクトな中年男性だから、そこまで考えないのも仕方ないかもね。
ちなみに『降る時はいつも土砂降り』って言葉は、英語で「When it rains it pours.」というらしい。

 

///気になるやりとり///
檜山興業の所在地にやってきた尾木は、そこに詰めている「尾木殴り専門」の木村に話をしたいと要求した。二人だけの会談を終えて事務所を出る時、尾木は待機していた二人の組員に頼みごとをする。
254Pより。
―――「あの旦那に小銭かりたんだ。今度来たときでいいから、この中から三千円返しておいてくれないか。のこりは手間賃だ」―――
なんだこれどーゆーこと?ヤクザに対して金の貸し借り行為をさせるのが目的?
初めて読んだ時、ココの部分のやりとりが全く分からずに読み終わってからもずっと謎だった。
何度も読み返してみて、少し前から読み返してみたりもしてようやくああ!なるほどねって理解したわ。
そーゆーことだったのかぁ。久しぶりのアハ体験だったけどなんてことはない、おじさんが何も考えず流し読みしていただけなんだわ(;´∀`)

 

 

<< 読み終えてどうだった? >>

 

///全体の印象とか///
本編にて使用されているのが携帯電話(ガラケー)だったり日産のブルーバードが登場しているので、時代設定としては2000年頃じゃないかと思われる。ちなみに単行本は2005年に刷られているようで。全て主人公である尾木の一人称視点で語られていく作り。元刑事の中年男性ストーリーはこうでなくっちゃね。
本筋の話が進行しながら各住人との出会いや尾木自身の昔話が挿入されているんだけど、どれもこれも辛かったり悲しかったりで人生とは苦難を味わうことなのか?って思っちゃう。

 

読む前までは、ちょっぴり不穏だけど基本柔らかな物語かなぁ~と思っていたら大間違いだった。
暴力とピンチと辛い現実がみっちり詰め込まれた重い展開の連続だよ。たまに差しこまれる人の優しさエピソードや主人公の軽口のおかげでダークな雰囲気とまではいかなかったけど、焼け石に水くらいの効果かなぁ(;^ω^)

 

///話のオチはどうだった?///
殺人事件の真相については、全く予想外の真犯人に驚かされたよ。読み返してみるとちゃんとヒントになる事は書かれていたのにね。尾木の苦難を読むだけでも面白かったのに、最後にそうだったの!?って明かされる展開まであるとお得な気分。
まあ、素人がそんな簡単に気配も気付かれず遂行できるのか?っていう疑問はあるけど、その辺はイチャモンのレベルな文句だからね(笑)
きっと犯人は悪運がめちゃ強だったんだろう。

 

そしてズタボロで切羽詰まった尾木の七日間ね。
孤立無援で回りは敵だらけ、まともな手がかりもない時間もない状況でもうこんなん無理ゲー過ぎんだろって、読者のおじさんが絶望していたのに・・・・・まさかこんなことになるなんてねぇ。
ふとした瞬間に魔が差さなければ、優秀な刑事尾木は全く違った人生を送っていたのかも知れないけど、ifの人生が幸せかどうかは分からないからなぁ。
気になる未読者は読んでみるがおススメよ、読み応え十分で値段以上に楽しめるから。

 

///まとめとして///
そんなこんなで、読み終えて当初の目的だったソウルジェムの濁りは取り除くことが出来たのかって?
う~ん、やっぱりもうちょい日常系の暖まる物語のが良かったかも。以前に読んだ『そして、バトンは渡された』みたいな感じのやつとかね。
今回の小説は予想外にもハードボイルド味が強めだったし、ズシンとくる悲しみの精神的ボディーブローもたくさんくらってしまったから(;´Д`)

 

でもでも、『いつか、虹の向こうへ』には気持ちを前向きにしてくれる効果があると思う。
実際、読み終えた後のおじさんはなんでか知らんが会社の苦手な人に対しても、なんか色々あったんやろなぁ~って想像するようになっちゃったし。
(ひょっとしたら『上手な心の守り方』のおかげかも知れんけど)
他人に優しく出来る人は、それだけ大きな悲しみを抱えているのかも知れない。ありきたりな考え方だけど、この小説を読むとほんの少し他人を思いやれる気がする。そんな満読感、頂きました。
さぁ~て、次はどんな小説を読もうかな・・・。
24年12月22日の日曜日。
北風が強く厚い冬の雲に覆われているけど時折明るい陽射しが差す天気な日に読了。

 

 

<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

 

『いつか、虹の向こうへ』は、第25回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞をW受賞しているのです!

 

25Pより。
―――まあ、この女将のあだ名が弥五郎と言われれば納得したかもしれない。だが、それは鹿児島地方にある祭りに由来した名前らしく、「よく聞かれんだけどさ、私のあだ名じゃないよ」と豪快に笑っていた。―――
鹿児島県岩川八幡神社の弥五郎どん祭りは、県下三大祭の一つと言われており身の丈4メートル85センチの大男の弥五郎が町を練り歩くようで。九州郷土料理の居酒屋かぁ、イイねぇ。
しかしあの弥五郎のようなごつい女将って、どんなんだよ(笑)

 

48Pより。
―――「三十年以上前に建てたウワモノだから、売るときは更地ですね」―――
「上物」とは、対象の土地にある建物を指す言葉。 不動産広告で「売地・上物あり」などの表現があれば、土地の上に家屋が存在するという意味になるとのこと。
築三十年以上の一軒家は無価値ということになるのか、まあ普通の家なら当然かぁ。

 

181Pより。
―――こんなハンデを背負って真犯人を見つけるなど、ディック・トレーシーだってお手上げだろう。―――
ディック・トレイシーはアメリカ合衆国で1960年から1961年の間に放送された、チェスター・グールドの警察もの人気コミック「ディック・トレイシー」を原作とするテレビアニメ。
日本においては1962年に日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)系列で、6月から12月までの毎週土曜日に「まんが探偵局 ディック・トレイシー」として放送され、1990年頃にVHS、LDが発売されたらしい。
1990年に実写映画化もされたようで、そういやレンタル店でこんなパッケージを見たような気もする。

 

219Pより。
―――「私はバルビツール系睡眠薬の依存症でした」―――
バルビツール酸系は、鎮静薬、静脈麻酔薬、抗てんかん薬などとして中枢神経系抑制作用を持つ向精神薬の一群であり、1920年代から1950年代半ばまで、鎮静剤や睡眠薬として実質的に唯一の薬であったらしい。バルビツール酸系の薬は治療指数が低いものが多く、過剰摂取の危険性を常に念頭に置かなければならない、とのこと。
そういや一時期、寝てもすぐに目を覚ますってことを繰り返す日々があったなぁ。
仕事を変えたらいつの間にか治ったけど。

 

220Pより。
―――普段はインストゥルメンタルといって楽器の演奏だけです。店の前まで行ってダイアン・リーブスがかかってる日は寄らずに帰りました。―――
ダイアン・リーヴスはアメリカ合衆国のジャズ歌手で、ミシガン州デトロイト生まれ。
アルバムよりライブでのパフォーマンスで知られているようで、ディー・ディー・ブリッジウォーター、ダイアナ・クラール、カサンドラ・ウィルソンと並んで、現代最も重要な女性ジャズ・シンガーと見なされているらしい。
何かの作品でも登場していたような、していないような。とりあえずYouTubeで曲を聴いてみるぜい。

 

300Pより。
―――「何か飲む?」
同じ調子で聞いてくれた。見た目の怜悧さとは違った、やや間延びしたようなしゃべり方だ。―――
「れいり」とは、りこうなこと。りこうな様子、利発。

 

 

<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

 

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
196Pより。
―――髪を掴んだまま、今は横たえられ、毛布をかぶせられている被害者の側まで引きずっていった。誰もとめようとしなかった。
「さあ、謝れ。地べたに頭こすりつけて謝れ、この野郎」
地面にめり込むほど藤木の顔を押しつけた。―――

尾木&早希の出会いを描きたかったけど、夜の町で中年男性と若い女性が佇む絵面って前回の『殺人依存症』とほとんど同じになりそうだったので断念することに。
次いで印象に残っていたこっちを描くことにした。
にしても髪型が毎回悩んでしまうのよ、女性のもそうだけど中年男性のヘアースタイルもバリエーションが少ない。いやおじさんが描けるバリエーションが少なすぎるんよ(;´Д`)
やはりネットなどで言われているように、絵のレベル上げには模写を徹底してやるしかないのか。
・・・・・・・・・め、めんどくさそうだなぁ。なんて言ってるからいつまでも上達しない。
分かっちゃいるけど、実行できない2024年の冬。

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