忘れないでね 読んだこと。

せっかく読んでも忘れちゃ勿体ないってコトで、ね。

いまさら翼といわれても 読書感想

タイトル 「いまさら翼といわれても」(文庫版)
著者 米澤穂信
文庫 384ページ
出版社 KADOKAWA
発売日 2019年6月14日

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この作者の作品で既に読んだもの
・今回の「いまさら翼といわれても」だけ(このブログを書き始めてからは)


<< ここ最近の思うこと >>

いつからなのかわからないけど、このシリーズの1巻と2巻が見つからないとです。
知り合いや友人に貸した気がするけど、最後に誰に貸したのかも思い出せんとです。
「折木さん・・・・・私、気になります!」
きっともう二度と手元には戻ってこないんだろうなぁ~。
映画でもマンガでも小説でも、ソレ自体が好きな人じゃないと媒体に対しての扱いも雑になる気がする。
やはり興味の無い人に貸す時は、寄付するくらいの気持ちでいないといけないね。
(↑とか言ってる自分も誰に貸したのか分からなくなってるじゃん!扱い雑になってるじゃん!!)


<< かるーい話のながれ >>

『箱の中の欠落』
ある日の夜、里志に呼び出された奉太郎はこんなことを相談される。
生徒会会長選挙の開票をしてみたら、正式な有効票が一クラス分多かったと。
そのことで疑いをかけられた一年生の疑惑を晴らすために、力を貸してほしいとのこと。
果たして犯人はどうやって一クラス分もの有効票を紛れ込ませたのか?
アチアチのラーメンを食べた二人は思考を巡らせる。

『鏡には映らない』
中学の同級生とばったり再開した摩耶花は、昔話から卒業制作の出来事を思い出す。
大きな鏡の枠を木彫りのレリーフで飾り付ける卒業制作だったのだが、奉太郎が請け負った部分を手抜きで作って来たせいでクラスの皆から反感を買ってしまい、卒業まで嫌な奴として扱われたのだった。
古典部としてこれまで奉太郎と一緒にすごしてきた摩耶花は、卒業制作で理由もなく手抜きをしたのは「らしくない」と確信して、個人で真相を突き止めようと動き出す。
(誰も死なない殺さない学生物語なのに、残酷なお話造りがうまいなぁ~って思ったよ)

『連峰は晴れているか』
(似た話を読んだことあるような気が・・・救難ヘリを見てマナー違反者達が事故に遭ったことを喜んだ先生の話だったような)
ヘリの音を聞いた奉太郎は「ヘリが好きなんだ」と言っていた中学時代の小木と言う教師を思い出す。
ついでに里志が本人いわく生涯で三回も雷に打たれてたと語っていたことも思い出す。
その言葉を聞いた奉太郎はある種の予感を感じて、珍しくも自分から当時の事を調べ出す。
(まあ、むかし見たアニメ版の内容を勘違いしていただけ、なのかな?)

『私たちの伝説の一冊』』
摩耶花の所属する漫研グループは部長である湯浅が辞めたことにより、読むだけ派と描いてみたい派の溝は深まる一方だった。
そんな時、描いてみたい派の浅沼から有志数名で同人誌を出してみないか?と誘われる。
漫研の中で一番しっかり描いている摩耶花としては断る理由はなかったのだが、浅沼から聞かされた同人誌出版の計画は波乱を生みそうな危うい内容だった。
案の定、浅沼の計画は読むだけ派に露見してしまい・・・。
(『走れメロス』の感想がなるほど。そして漫研のギスギスが怖い、漫研の女子が怖い・・・)

『長い休日』
ある日の休日、朝起きした奉太郎は謎の感覚に襲われる。
「調子がいい」
心身ともに調子のよい奉太郎は散歩に出て、思いつくままに歩いて荒楠神社へとたどり着く。
そこで偶然出会った千反田と一緒に祠の掃除をすることになった。
掃除ついでに千反田は以前から気になっていたことを奉太郎に尋ねてみる。
「・・・・・折木さんはどうして、それを言うようになったんですか」
別に隠すような事でもないし、調子もよかったので奉太郎は語りだす。
小学六年生の時に起こった出来事を。

『いまさら翼といわれても』
市主催の合唱祭当日に、摩耶花から奉太郎に電話がかかってきた。
「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」
合唱祭りでソロパートを担当する千反田は、開催場所の市民文化会館に来てから姿を消してしまった。
奉太郎も現地入りして周辺を観察しつつ、千反田の行きそうなところを考える。
事故か犯罪にでも巻き込まれたのか?
思い返せば夏休みに入る直前の古典部でも、千反田の様子は少しおかしかった。
彼女は今どこにいるのか・・・?


<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>
///おじさんでも思わず萌えそうになる///
84Pより。
―――誰だって、真っ向から見つめられたら気まずくなる。なんだか恥ずかしいと思うこともあるだろう。それを差し引いても、折木はこのとき、ちょっと頬を赤くした。―――
赤面する奉太郎って珍しいなぁ~って思ったけど、アニメ版だとけっこう赤面してたような気がする。
後々になってその理由が判明した時には、あ~なるほどねそーゆー理由で赤くなったのね!って納得できましたわ。
素直になれない男心におじさんもほっこりしてしまう(*´▽`*)

///胸にグッと来た言葉///
226Pより。
―――「本当はもっと描かなきゃいけなかった。だから、遅かったかもしれないけど、描くためにやめた。あたしには才能がある。ちっぽけでゴミみたいな才能だけど、でも、あたしはそれに仕えなきゃいけなかったんだ」―――
女子高生がこんなにアツいセリフを言ってのけるなんて・・・・・カッコよすぎでしょ( ゚Д゚)
「才能に仕えなきゃいけなかった」かぁ・・・・・小説を楽しめるのも才能の一つかな?
とりあえず小説があれば老後も暇をもてあますなんてことはなさそうだし。
(アニメ版の河内先輩の立ち絵が、カワエエ(*´▽`*))


<< 気になった・予想外だった・悪かったところ >>

///「鏡には映らない」から///
中学の卒業制作を見る為に卒業した中学校へ行く摩耶花。
卒業した身分で中学校に侵入するのを躊躇っているんだけど、普通に職員室に行って挨拶すればささっと入れてくれるんじゃないの?と思った。
「懐かしくなったから卒業制作の鏡を見たいんですけど?」みたいなこと言えば断られないだろうに。
黙って侵入して見つかった時の方がリスク高そうだけどなぁ。

///「わたしたちの伝説の一冊」から///
190Pより。
―――「これ見てて!」と言うと、ふくちゃんが怪訝そうに首を傾げた。
「見るって・・・・・読めばいいってこと?」
とんでもない!
「違う、見張ってて」
「見張るの?」―――
いくら急いでいたとは言え、「そこのノートを誰にも渡さないで」ってことくらい言えたのでは?
まぁ、争いが起こって怪我人がでたのかもって焦っていたから、しょうがないっちゃしょうがないか。
摩耶花は素直な性格すぎて、おっちょこちょいが目立っちゃっうのかな(笑)


<< 読み終えてどうだった? >>


///全体の印象とか///
久しぶりの米澤作品で古典部シリーズ、日常推理系って全然読んでなかったし、昔みたいに楽しめるかな~って思ってたけど・・・・・・めっちゃ楽しく読めちゃったわ!
アニメを全部見ていたから声もキャラクターもイメージしやすくて感情移入もしやすかったし。
ってかほんとうにアニメ見ているみたいにサクサク読めちゃうのが心地いい。
読み終えてから第一期のOPソングを聴き直してみたけど、まさしく奉太郎の歌だね。

///話のオチはどうだった?///
やるせない・・・まったくもってやるせないよぉ。
奉太郎のぶつけようのない怒りがビシビシ伝わってくる!
結局どうなったのかわからないし・・・・・なのにこの満足感はなんなんだ?
(自由が得られたから結果オーライ?いやいや、それで済ませられることじゃないでしょうが!)
とにかく続きが気になる。
小市民シリーズの続きも気になる。
米澤さん早く続きを頂戴よぉぉぉ(;´Д`)
(小市民シリーズについては、コレを描いている時に最新刊が出版されておりましたわわわ)


///まとめとして///
あとがきで「焼きそばからはじまり、中華麺でおわる」と描いてあったけど、米澤さんは執筆中に麺類に嵌っていたのかな(笑)
進みだした奉太郎と立ち止まってしまった千反田、漫画を描くことに対して一つのけじめを下した摩耶花、絶対に「負けました」と言いたくない里志・・・。
神山高校古典部メンバーの今後が・・・・・私、気になります!!
そして誰もが口に出したくなるセリフ「えるきてる」(えるきてる、えるきてる、えれきてる?)
やっぱり氷菓シリーズは面白いってことで満読感89点!
さぁ~て、次はなにを読もうかな・・・。


<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>


23Pより。
―――選挙管理委員会の権力に掣肘を加えるために総務委員会として問題に介入しようとしている・・・・・という仮説も成り立たなくはないが、そういう妄想は丸めて燃えるゴミの日に出してしまって構わない。―――
「せいちゅう」
わきから干渉して、自由な行動を妨げること。

68Pより。
―――彼女の得意分野はエッチングだったけれど、彫刻刀をにぎらせてもわたしより上手く、十センチ四方の板二枚ぐらい二人でかかれば朝飯前だった。―――
エッチング
エッチングまたは食刻とは、化学薬品などの腐食作用を利用した塑形もしくは表面加工の技法。

161Pより。
―――正直に言って、読書感想文ってのは読書の感想を書く宿題じゃなくって、どいういう感想を書いたら先生にOKがもらえるか考える宿題だと思っていたけど、蒙が啓かれたね。―――
「もうがひらかれた」
知識や理解が不足している無知な状態を、教え諭されることで知識をもった状態へ導かれること。
啓蒙されること、とのこと。

240Pより。
―――本屋に行こうかと思ったが、今月はいろいろあって手元不如意。何よりポケットの文庫本で今日一日は保つだろう。―――
「てもとふにょい」
手元に金がないという意味。
ポケットに文庫本を入れて持ち歩く高校生・・・・・見たことないなぁ(;^ω^)


<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
幼き時の折木姉弟を描いてみたけど・・・・・誰なんだよコレ!?
奉太郎も似てないけど、それ以上に姉の供恵は誰なんだ。
中学生でこんなムチムチボディーって、これじゃもう対〇忍じゃないか(笑)
つーかもう全体的に変だしぃぃ! んほおおおぉぉぉぉ!!!
(あ~あ、キャラクターを描くのって難しいわぁ・・・いや全部難しいわぁ)

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277Pより。
―――そう。あんたは不器用なくせに、器用になりたいのね。あんたはばかのくせに変なところで頭がいいから、嫌な気づき方をしちゃったのね。いいよ、止めない。それでいいんじゃない。あんたの言ってることは間違ってないと思うよ。―――
うむむ!
感じるぞ、おねしょたの波動を(`・ω・´)

 

優しさの理由

優しさの理由

  • 発売日: 2020/03/11
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

Ank: a mirroring ape 読書感想

タイトル 「Ank: a mirroring ape」(文庫版)
著者 佐藤究
文庫 656ページ
出版社 講談社
発売日 2019年9月13日

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この作者の作品で既に読んだもの
QJKJQ」


<< ここ最近の思うこと >>

近い内に友人たちと京都旅行へ行くことになった。
京都と言ったら「鴨川ホルモー」を思い出す。
あの映画が上映されてから、誰か一人は『レナウン娘ダンス』をしたヤツがいるだろう。
そして今回の小説も京都が舞台。
だけど内容はガラッと変わって圧倒的な暴力の渦が大渦のようにぐわわっと!!
この作者が書いた「QJKJQ」も素晴らしい作品だったから、嫌でも期待感は上がるぜ。
読む前に期待し過ぎるのは良くないよ・・・でもこの小説を前にして期待するなって方が無理だって!
さあ、2026年の京都へ飛び込もう(=゚ω゚)ノ


<< かるーい話のながれ >>

霊長類研究者の鈴木望が所長を務める施設、KMWP(京都・ムーン・ウォッチャー・プロジェクト)に一頭のチンパンジーが送られてきた。
南スーダン共和国のジャングルからやってきたチンパンジーは密猟者に捉えられ、トラックで輸送されているところを保護されたのだった。
アンクと名付けられたそのチンパンジーは驚異的な知能を持っていた。
そして望はアンクに極秘の実験を行う。
成功した実験と偶然の事故によって、京都は暴力の都へと変貌する。

失われた類人猿、人類全体が記憶喪失、話すAI、二歳の先へ、鏡と仮面のテスト、震度五、緊急事態宣言、StSat反復、京都御苑での戦い、警戒音、ゲルストマン症候群、二度目のビッグバン、空前絶後の競争劇、ナルキッソス、鏡を覆う、8分19秒、見つめ合うこと、進化の解答・・・。

現生人類はなぜ生き残りここまで進化することが出来たのか?
その謎が解かれる時、太古の昔から隠されてきた真実が溢れ出す。

第20回大藪春彦賞および第39回吉川英治文学新人賞のダブル受賞を果たしたこの小説。
読書好きなら読まないと勿体ないっしょ!


<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

///劉氏の言葉に納得///
216Pより。
―――「―――動物に刃物―――私の知る限り、前例はないですね。パフォーマンスとしてはおもしろい。でも危険すぎるのではありませんか?」
「知能とは攻撃性の制御です」と劉立人は言い切った。
「それさえ可能であれば、あとは不慮の事故を防ぐだけの話ですよ」―――
まさしく↑のとおりだと思うよ。
カッとなって暴力を振るった場合どうなるのか?どのようなことが起こる可能性があるのか?
先のことを予想して行動することが知性なんじゃないかと思いますわ。
(とか言いつつ、車の運転中にイラッとしたらすぐに悪態をついてしまう自分がお恥ずかしい)

///金閣寺で繰り広げられる地獄///
375Pより。
―――誰もが知るあの場所で、人間たちが渦巻いている。二〇〇〇人を超すエキストラが集められ、ロンドを踊っているように見える。しかし見ているうちに、そこに何が映っているのか、しだいに明らかになってくる。―――
老若男女、日本人外国人、観光客がごった返す中で発生した超暴動。
全員が全力で殺し合う光景を俯瞰して見る光景は凄まじいだろうね。
頭の中で想像する光景を絵で表現する実力がないのが残念。
(似たような光景でいうなら映画「ワールド・ウォーZ」とかかな?)


<< 気になった・予想外だった・悪かったところ >>

///襲撃者が狙うターゲットの法則///
ホモ・ハイデルベルゲンシスはどうして望を襲ってきたのか?
襲われた時に望達は川の中にいたから、二足歩行の姿は見えないはずだけど・・・。
川に入る所を遠くから見ていたとか?

///知り過ぎた者は消されるのがセオリー?///
京都暴動の真実を知ってしまったケイティーの元にやってくるペンタゴン諜報機関NSA。
犠牲者を増やさない為にも京都で起こったことの真相を教えてほしいと言われて全て伝えてしまう。
このパターンはケイティ自身もなかったことにされるのでは?って思ったけどそうはならなかった。
証明する物証をすべてNSAに渡したのが幸いしたのかな?
真相がはっきり判明した訳じゃないし、証拠もなにもないケイティだからしばらく監視・管理する程度の処置でいいだろうってことになったのか?


<< 読み終えてどうだった? >>

///全体の印象とか///
京都暴動が起こる以前の話からはじまって、暴動が沈静化してその数年後までが描かれている。
その合間合間に各所での暴動シーンが短く挿入されている。
(↑この作りは「QJKJQ」と同じだね。おじさんはこの演出好きだ)
ただ話の時間軸が一方通行ではなくて、過去と現在の話が行ったり来たりしているから読み慣れるまでちょっと時間がかかったよ(^^;)

自我に目覚めたAIが暴走して全世界のスピーカーからアレを流して人類を削減・・・てな展開にはならないよ。
あくまでも京都内での暴動で話はまとまっていましたわ。

///話のオチはどうだった?///
京都暴動の終息から再生までしっかり描かれていたし、プロローグからエピローグもしっかり描かれていたから満足なんだけど、最後の文章がどーゆーことなのか未だに悩んじゃっている(;^ω^)
遺伝子に刻まれた記憶と世代間で受け繋がれていく習慣、類人猿から進化した人類が暴き出してしまった呪い、隠していた真実を照らし出したのが鏡・・・。
そしてまた人類は真実を覆い隠してしまい、いつかまた繰り返すのか?
うーむむ、悩むのが止まらない。
これじゃあ泉に写る自分を見つめるアルファ・ミラリング・エイプみたいだ(;´Д`)

///まとめとして///
ボリューム満点! 読み応え十分! さすがダブル受賞の超弩級エンタメ小説!!
でも個人的には「QJKJQ」のほうが好きかなぁ・・・。
まあ「Ank」はパニックエンタメ作品だから、ジャンルの違う作品を比べてもしょうがないよね。

今後おじさんは鏡を見る度に思うだろう。
「映っているのは自分」「映っているのは自分ではない」「でも映っているのは自分」「でも映っているのは自分ではない」
無限の殺戮を経て人類に進化した人間は未だに同族での殺し合いを断ち切ることが出来ない。
それは次なる進化への過程なのか、それとも殺し合いこそが人間の本質なのか。
佐藤究の新作が出たら絶対読もう!読まずにいられるかコンチクショウ!!
そう決心させるくらいの満読感ってことで92点!
さぁ~て、次はなにを読もうかな・・・。


<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

第四十七回群像新人賞優秀作の「サージウスの死神」というのが佐藤究のデビュー作みたい。
早く文庫化されないかなぁ~。

(って、今確認したらもう発売されてるじゃん!!! はよ買わんとあかんばい!!!)

48Pより。
―――メルセデス・ベンツSLS-AMG―――F1レースで、セーフティーカーとして活躍したこともあるスーパーカー。騎士の美しい甲冑のような銀色の塗装が日差しにまばゆく輝き、流体力学を計算しつくした車体の窓のなかから、アディダスのジャージ姿の望むが手を降っている。―――
メルセデス・ベンツ・SLS AMGはドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツAMG部門により開発されたスーパーカー
2009年9月に開催されたフランクフルトモーターショーで発表されて2014年に生産終了することが発表された。
日本での販売価格は2,490万円から・・・・・一番安い値段でコレかぁ。

75Pより。
―――「本当はわかっていないんです。突然泣く理由はね」と望は言った。「それでいて、聞いてのとおり、この爆発的な泣き声です」
「親だけでなく、科学者にも理由がわからないってわけか」
「とくに夜泣きは進化上の謎です。たとえばチンパンジーの赤ん坊は絶対に夜泣きしません」―――
ははぁ~なるほどねぇ・・・・・なぜ人間の赤ん坊は夜泣きするのか?気になるな。
夜泣きした時に、折り畳み式の小さな蚊帳みたいな防音BOXを赤ん坊に被せて、その中に親も頭を入れてあやせばご近所を気にするストレスは無くなるのでは?なんて思いついた。

225Pより。
―――ケイティは『2001年宇宙の旅』に出てくる宇宙ステーションを思いだし、それからミゲランジェロ・アントニオーニ監督の『欲望』のいくつかの場面を連想した。―――
『欲望』は1967年のイギリス・イタリア合作映画。
1960年代中盤のロンドンが舞台。
人気カメラマンの主人公が撮ったある写真にまつわる奇妙な出来事を描く。「スウィンギング・ロンドン」と言われた、当時のイギリスの若者のムーブメントを織り交ぜつつ、サスペンスかつ不条理な独特の世界観となっている。1967年のカンヌ国際映画祭にてパルム・ドールを受賞。
↑パッケージ画像は何度か目にしたことがあるよ。意外なところで概要を知ったわ。

259Pより。
―――劉はアボカドをかじっていた。ナイフで固い皮を剥きながら食べている。チンパンジーはアボカドを嫌うので、油断した隙に奪われる心配がない。―――
ネットで探してみたけれど、それっぽい情報はないっぽいかと。
「ペルシン」という物質が多くの動物にとってよろしくないようで、人間は「ペルシン」を無毒化することが出来るので問題ないらしい。

357Pより。
―――金閣寺に面する池は、室町時代から<鏡湖池>と呼ばれていた。その名の示す皮肉に苦笑いするものは皆無だった。―――
鏡湖池は浄土世界にある七宝の池を模して造られたといわれているとか。
とても美しく八つの功徳を備えた池・・・・・心が穏やかになること間違いなし。

365Pより。
―――犬に咬まれた左腕を舐めて、アンクは収穫されたばかりの<えびいも>を拾い上げる。京都の高級食材。においをかぎ、器用に泥を落としたあとで、かじりつく。―――
えびいもは京芋とも呼ばれていて収穫時期は10月上旬~11月中旬。
湾曲して表面には横縞がありエビのように見えることが名前の由来とされているらしい。
優れた風味、煮崩れしない、色も変化しないってことで高級食材として扱われているとか。

612Pより。
―――正午には国連の代表とWHOからなる調査団が入洛する。彼らは航空自衛隊のヘリに搭乗し、封鎖地区の京都市北区を視察する。―――
「じゅらく」
都である京都にはいること、と言う意味らしい。

624Pより。
―――隣接する京都御苑から風に乗って運ばれてきた紅葉だ、伊藤若冲の色使いを思わせる鮮烈な赤。宙で太陽を背にすると、逆光のなかで一休禅師の墨絵に変わる。―――
伊藤若冲は近世日本の画家の一人で、江戸時代中期の京にて活躍した絵師。
濃彩の花鳥画、特に鶏の絵を得意としたようで、トサカや顔の赤色が鮮やかで印象的だね。


<< 作中場面を勝手に想像したお絵描きコーナー >>

今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
自衛隊クリーバーが襲ってくる場面や、人類代表VSチンパンジーの場面とか、妄想風景が捗る部分が多かった今作。
迷った挙句、今回選んだのはココ↓
112Pより。
―――敵の下から這いだした少女は、血に染まった顔で周囲を見渡し、ふいに落ちているクリケットのバットをつかむ。しばらく啞然として、カヌーのシングルパドルに似た木製の道具を見つめている。―――

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 女子高生クリケット部員達による暴動シーン。
一人だけ拾ったバットを茫然と見つめていた少女は、突然なにかに取りつかれたように、先ほどまで自分を襲っていた相手に全力の一撃を・・・。

欲望 [DVD]

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  • 発売日: 2010/04/21
  • メディア: DVD
 

 




オーディション 読書感想

タイトル 「オーディション」(文庫版)
著者 村上 龍
文庫 236ページ 
出版社 幻冬舎
発売日 1997年12月1日

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この作者の作品で既に読んだもの
・「フィジーの小人」
・「共生虫」
・「オーディション」

<< ここ最近の思うこと >>

グロい、コワい映画として知られている「オーディション」を一度は観てみたいと思っていたおじさん。
だけどレンタルがどこも扱っていなくて、それから何年も月日が過ぎてしまった。
最近になって、ふと思いついたんだ。
原作読めばいいじゃん(*‘∀‘)(気づくのが遅すぎだわな)
てなわけで早速アマゾンでポチって届いたコチラ。
今までの村上龍作品とは少し嗜好が変わった気がするストーリーだけど、どうなんだろうね?
映画の評判通りの恐ろしい展開を期待して、いざ読んでみるっぺよ(=゚ω゚)ノ


<< かるーい話のながれ >>

最愛の妻に先立たれて失意のどん底にいた夫の青山。
彼は仕事に打ち込むことで気力を回復させ、一人息子との関係も良好な日々を送っていた。
ある日、息子から言われた「再婚したら?」の言葉がきっかけで、青山は友人の協力による女優オーディションを開催し、そこから再婚相手を見つける計画を考える。
青山はそのオーディションで一人の女性に一目惚れして、2人はデートを重ねて距離を縮めていく。
しかしその女性には怪しい経歴がいくつか有り、友人からの忠告も青山には届かない。
2人が結ばれた時、女性の愛は爆発して暴走を開始した。

潰れる映画のオーディション、ストイックな警戒心と大人の想像力、FMラジオ「明後日のヒロイン」、山中湖の古くて小さなホテル、傷だけで成立する顔、山崎麻美、邦楽二課の芝田、車椅子の青年、所在不明の家族、告白、不思議な子、2人きりの伊豆旅行、わたしだけよ、睡眠薬、両足先の無い男、消えた女、ハットピン、フルボリューム、嘘つき・・・。

愛と憎しみは表裏一体。
果たして青山は暴走する愛情から逃げ延びることが出来るのか?



<< 印象に残った部分・良かったセリフ・シーンなど >>

///映画「ランボー」の感想に共感///
青山が息子と二人で旅行に行ったホテルにて、ランボー三本立て鑑賞をした場面。
41Pより。
―――「何だよ、これはひどいよ、馬にまたがって突撃して攻撃用ヘリにかなうわけないじゃないか、これは観る人をバカにしてるよ、三国志ジンギス・カンじゃないんだからさ」―――
ランボー1には感動した重彦も続編には不満足だったようで、おじさんも同じ感想だ。
(でも乗馬しながら火炎瓶を受け取るシーンはちょっとカッコ良かったよ

///今回も舌の根元に注射が///
200Pより。
―――「からだは死ぬけど、神経だけを起こすからね、痛みとか苦しみが何十倍になるようにね、だから少しだけ眠んなさい」
山崎麻美はプラスチック製の注射器の針を青山の舌の根元に刺した。―――
これの前に読んだ「ダイナー」でも舌の根元に薬物を注射する描写があったけど、そのほうが効果的?
なんにしても想像しただけで痛みを感じそうな絵面だなぁ(>_<)

///起死回生の行動が痛そう///
218より。
―――痛みとショックで気を失いそうになり、頭を強く振ってそれに抵抗した時、わけのわからない静けさが意識に満ちて、女を蹴り落とせ、という指示が届いた。―――
真っ先に思い出したのは『愚地独歩VSドリアン』だね。
まさかこの小説であの場面を連想するとは思っていなかったわ(;^ω^)
(しかしハットピンというモノがネットで検索しても見つからない・・・・・他の人のレビューをみてみたけどみんな見つけられないようで、どうやら架空の道具っぽいのかも)


<< 気になった・予想外だった・悪かったところ >>


///マラソンと日本国民の考え方///
13~14Pより。
――― 一つのマラソンレースに参加する選手全員が同じモチベーションで走っているのだ、昔はそう思ってテレビを見ていた。今は違う。当たり前のことだが、それぞれが違う動機の下に走っているのだ。この国に生まれた人間がそれを本当に認めるのはかなり辛いことだろう。―――
働くことが幸せだと思っている人もいれば、嫌々働いている人もいるっていう事実を認めることが辛いってことなのかな?
(バブル時代よりもっと昔の高度経済成長期?ではみんな同じモチベーションで働くことが当たり前だったってこと?)

///名前もない、だけど訳知りな青年キャラ///
84~85P
―――青年は母親らしい人と談笑しながら僅かに振り向く形で山崎麻美の顔を見た。その瞬間、青年の笑顔が凍りつき、彼は車椅子から立ち上がりそうになった。―――
この青年も過去の被害者なのか?
命は助けられたってことなのか?
なんで警察に被害届を出さなかったのか?
分からないことだらけですたい(;´Д`)

///ギャングが・・・・・///
いつものだけど、動物が酷い目にあうのは読んでいて辛い。
マジで辛い、読まずに済むなら読み飛ばしたいくらいに苦手だわぁ(>_<)



<< 読み終えてどうだった? >>

///全体の印象とか///
内容のほとんどが大人の恋愛モノで、恐怖の展開は最後に爆発って感じ。(全体の5分の1くらい)
間にちらほらと不穏な雰囲気を出してくる場面があるけれど、正直ちょっと退屈してしまう所はあった。
恐ろしい展開がところどころに詰まった物語を期待していると、肩透かしになってしまうかも。

///話のオチはどうだった?///
読み終えて最初に思ったことは、「あれれ!!これでおしまいなの?」っていう驚き。
せめてエピローグ的なのが欲しかったなぁ。
山崎麻美の過去の詳細が一切わからないまま終わってしまったのも残念だね。
今までの被害者エピソードとか知りたかったのに。
(でもここまでブツ切りENDだと続編がありそうな気もしてくるな・・・・・死んではいないみたいだし)

///まとめとして///
ちょっと退屈してしまう恋愛部分が長かったけど、山崎が本性をさらけ出して暴れ回る終盤は手に汗握るくらい緊張感アリアリで、どっぷり本の世界に引きずり込まれたわ!
その場面を味わう為に読んでみる価値は十分にアリかと。

男女の恋愛部分に共感できなかったおじさんでも何故か心に残った言葉はあった。
235Pの解説より。
―――成熟した大人どうしの関係が、長年にわたって続くためには、一方が他方の子どもになろうという野心が、意識的、意志的に排除されていなければならない。だから、こうした二人は、2人ともどこか寂しい。それで良いのであって、大人とは、寂しさと共存して生きられる人のことである。―――
成熟した大人に、なりたいような、なりたくないような・・・。

ではでは最後に。
あとがきにて作者は山崎麻美というキャラクターが可愛いと言えない世の中になったと語っていた。
トラウマを抱えた若者が増えすぎた世の中が一番の恐怖ということなのかな・・・。
てなわけで、男女の恋愛で修羅場とか喧嘩とか怖い思いをした人が読んだら、かなり共感して恐怖感をゾクゾク煽られちゃうかもね!
(残念ながらおじさんにはまだそーゆー深い恋愛経験が無いけど(ノД`)・゜・。)
満読感はちょっと低めの80点!
さぁ~て、次はどれを読もうかな・・・。



<< 聞きなれない言葉とか、備考的なおまけ的なモノなど >>

三池監督で実写映画化されているよ!
2000年の第29回ロッテルダム国際映画祭の上映では記録的な人数の途中退出者を出して、映画を観た一人の女性客が三池に「悪魔!」と激怒して詰め寄ったという一幕があったらしいよ。
ほかにも、2001年アイルランドのダブリンでアイルランド映画協会員限定で無修正版が上映された際には、会員の何人かがショックで倒れて、そのうち一人が病院に運ばれる事態が起きたとか。

12Pより。
―――昔、東京オリンピックアベベ・ビキラを見た頃はマラソンは何かの象徴だった。―――
アベベ・ビキラ」
エチオピア出身の長距離走選手。
オリンピックのマラソン種目で史上初の2大会連続優勝を果たし、2個の金メダルを獲得した。
「はだしのアベベ」という言葉が懐かしい。

14Pより。
―――歩いて数分のところにある輸入食料品専門のスーパーマーケットで、フランスの卵と鴨の肉のロースト、それにスモークサーモンとシャンピニオンを買ってきた。―――
シャンピニオン
フランス語でマッシュルームという意味らしい。
そっくりな形に作られたパンのこともシャンピニオンと呼ぶみたいだね。

17Pより。
―――その夜は赤坂のホテルのバーを吉川が指定してきた。ハープの生演奏が入っているスノッブなバーだ。―――
スノッブ
上品ぶったり教養ありげに振舞ったりすること、他には鼻持ちならない人、という意味らしい。

22Pより。
―――「声楽とかピアニストとかバレリーナだろ?いくらお前でも大変だぞ、オナシスとかでないと面倒見きれんだろう」―――
「オナシス」
おそらくギリシアの海運王のことかと。
歌手 M.カラスとの恋愛や、ケネディ大統領夫人ジャクリーンとの結婚が話題になったみたい。

30Pより。
―――要するにコンペティティブにならざるを得ないんだよ、女には競争心が少ない、競争心のある女は不幸でなくてはいけないんだ、―――
「コンペティティブ」
競争によって決まること、もしくは競争力がある、ということ。

133Pより。
―――「東中野に、少し変わった和食の店があるんだ、元芸者さんがやっててね、江戸の廓料理を出すんだけど、たまにはそういうのもいいかなと思って」―――
「くるわ」
遊郭が集まっている地帯
青山によると江戸時代に廓で出された料理、または街道にある宿場で出された料理で、京都で生まれた懐石よりも親しみやすくて粋な料理とのこと。
このあと語られる懐石料理に対する青山の解釈がまたなかなか面白いのよ。


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今回はコチラの場面を描いてみた(=゚ω゚)ノ
217Pより。
―――「もうちょっと、こっちを向きなよ、足がなくなるところを見たいでしょ?」
銀色の細い金属の紐が左の足首に巻きつけられ、山崎麻美はじっと青山の目を覗き込んで、いっきにリングを左右に引いた。―――

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ついにアイパッドを手に入れたぞい。
線を描くだけでも物凄く違和感があるし、塗りつぶしもわからんし、レイヤーもどんなふうに分ければよいのか・・・・・え~い悩んでいてもしょうがない!
とにかく数万円分の利用はしないと勿体ないからがんばるぞい(/・ω・)/

 

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